散在する外国人ママの孤立防止のためのセーフティネット構築事業 外国人ママのための地域日本語教室

団体名 特定非営利活動法人場とつながりの研究センター

都道府県 兵庫県

助成額 275,400円

活動開始日 2021/10/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
①日本語ボランティア養成講座: 2021年12月20日(月)10:00-11:30、講師:(特非)篠山国際理解センター 野村由紀子さん、参加者10名
外国人ママを支援するうえでの心構えや外国人ママの背景や置かれている状況を学んだ

②ママのための北神日本語教室: 2022年2月~9月(毎月第1~3月曜日10:00-11:30を中心に全21回)、神戸市立北神区文化センター、学習者延べ40人、ボランティア延べ61人)
北神地域に在住する外国人ママやパパを対象に日本語支援活動を行った。活動には未就学児までの子どもも同伴してよい形態をとった。生活に必要な日本語を学びながら日常の困りごとを気軽に相談できる雰囲気を作り、外国人ママたちはリラックスして参加し、ボランティアに話を聞いてもらう様子が多々見受けられた。母親が身近にいるので子どもも安心して参加でき、ボランティアやスタッフとも遊びを楽しんでいる様子であった。

③子育て相談会: 第1回2022年5月16日(保育士:島津恵美さん)、第2回2022年7月11日(看護師:横田智子さん)、第3回2022年9月19日(神戸大学大学院保健学研究科パブリックヘルス領域国際保健学分野の小寺さやか先生とゼミ生)ママの日本語教室活動中に、子育て相談会を同時開催。第1回は食物アレルギーや子育ての悩みについて。特に食物アレルギーの話は大変話が弾み、お母さんが積極的に質問し、熱心に話を聞いていた。第2回は乳幼児期の病気、熱中症予防について。特に熱中症になったときの対処法は、外国人ママたちにとり大きな情報獲得につながった様子が見受けられた。第3回は、台風接近による警報発令で実施できず。

④情報発信
・活動の様子は毎回、当法人北神日本語教室のFacebookにて様子をアップ。#赤い羽根共同募金も記載し、見ていただきやすい取り組みも行った。
・神戸市国際課と神戸国際コミュニティセンターの視察訪問もあった。

⑤その他:生活相談や就労相談、行政窓口、病院同行など23件の対応を行った

活動日数 90日

支援対象者実人数 7人

支援対象者延べ人数 40人

参加ボランティア実人数 7人

参加ボランティア延べ人数 61人

本助成金による活動の成果
ボランティア養成講座に参加したボランティア「外国人ママのための北神日本語教室」に参加。外国人ママの置かれる状況などを把握したうえで寄り添い、教室活動、運営を行った。
そんな中でも印象的であったのが、乳児を連れたお母さんが子どもを抱きながら「あと5分頑張ります」と大きな声で宣言し、熱心に残りの時間を日本語習得に費やしていたことは教室の重要性を感じた。彼女にとり、日本語を学べる貴重な時間であったと思われる。毎回の活動の参加した外国人ママが日本語能力試験に合格するという嬉しい報告もあった。
活動の中で、子育て相談を2回実施。外国人ママたちは、子どもの病気や食物アレルギーなどの情報も日本語のみのもので分からないことが多く、子どもの発疹の原因が何かわからない様子で、看護師や保育士からアドバイスを受けて安心しているように見えた。
また、この教室は外国人ママのために実施したが国際結婚をした外国人男性からも参加問い合わせがあり、受け入れた。そのことにより、彼らも地域から孤立し、自分の気持ちを言えない場面が多いことが分かった。そんな外国人ママ、パパにある背景を日本語ボランティアが把握し、寄り添い、個々のレベルにあった日本語を学習する機会は外国人の出会いの場、日本人とのつながりの場になったに違いないと思う。
そして、本教室にはピアスタッフもかかわり、外国人保護者の相談にものる機会があった。母語で相談できることや、病院や行政窓口に同行することで、日本人も課題を把握し、適切な支援もできたと思う。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1)参加のしやすさを高めるために
当初想定していた参加者数に及ばなかった。これは、当日の子どもの体調などによって日本語教室への参加が左右されたため、との声があった。また、コロナ禍に加え物価高や円安の影響を受けて、収入が減ったり生活費が以前より増えたために、日本語教室をやめてアルバイトなどに時間を費やした人もいたようである。また、神戸市北神保健センターの保健師を通じて、「こんにちは赤ちゃん訪問」の際にリーフレットを持参してもらうようお願いしたが、問い合わせはなかった。今後、地域の保育園や乳幼児の用品を取り扱う子供用品店なども周知の場としてアプローチしていきたい。
加えて、ママに限らず外国人パパも地域ではマイノリティの存在である。なかなか、社会とのつながりを構築し辛い状況があり、支援が必要だと考えられる。

2)相談支援を行う上での課題
専門性が求められる相談を数件受けた。例えば、労働相談は在留資格や労働基準法などが絡んでいるため、内容を聞いたうえで専門家につなぐことが当事者の利益につながる。当団体は弁護士や行政書士、社会保険労務士など様々な分野の士業の方とのネットワークを構築しているため、支援することができた。今後いっそう拡充していきたい。

3)公的機関や地域における受け入れ体制のあり方について
行政窓口や病院への同行支援を行ったが、公的機関における在留外国人へのサポート体制はまだまだ不十分であると感じた。在留外国人も一住民であることから、住民サービスとして「やさしい日本語」を使うことや、一部地域で使われている「多言語問診票」を知り活用していくことが必要であるため、私たちからも発信していきたい。
同時に、地域に住む日本人の意識改革も重要である。地域の自治会や行政職員等への在留外国人の背景や思いなどを知ってもらう機会を作ってもらえるよう働きかけており、徐々に関心を持つ自治会の声を聞くことができるようになってきた。今後いっそう行政、社会福祉協議会等を通じて働きかけていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/hokushinnihongokyoushitsu/
https://batotsunagari.net/news220523/



寄付してくれた人へのメッセージ
この1年間、本地域で課題である外国人母親の孤立という課題に理解をしめしていただき、場づくりやつながりづくりとなる地域日本語教室等の活動に取り組ませていただいたことに感謝申し上げます。マイノリティに置かれる外国人母親たちは教室を通じて今まで出会うことのなかった外国人や日本人とつながり、生活日本語の習得をしながら、日本で生きていくうえでの悩みなどを吐露することができ、また参加するボランティアさんが想いを共有し、時には一緒に考え、時には励ましてくださる時間は、当事者の外国人母親にとり有意義だったと思います。そして、外国人のピアスタッフが彼女たちに寄り添うことで、様々な問題解決にもつながりました。本事業を通して、外国人母親だけでなく私たち日本人も多くの学びを得ることができました。中央共同募金会ならびに三菱財団、寄付者の皆様、ありがとうございました。