都道府県 東京都
助成額 804,385円
活動開始日 2021/10/1
活動終了日 2022/9/30
助成金で行った活動の概要
●居場所づくり活動
大学生・大学院生がスタッフとして、企画と進行を担い、外国ルーツの子ども向けの「居場所」をオンラインで開催した。通訳を配置し、日本語だけにとらわれず、自分らしく他者と交流できる場を継続することができた。毎週土曜日18:00~20:00の時間帯において、スタッフが作成したメインプログラムや、ボランティアによるミニコーナー(文化紹介やクイズなど)を実施した。毎回のプログラムは、学齢期の外国ルーツの子どもたちが日常において抱えやすい母語、学校生活、進学、また広くは社会、文化といった様々なテーマが網羅された内容になっている。
また、弊会のネパール事務所、ラオス事務所と連携し、現地職員が民話の読み聞かせや文化紹介を行うプログラムを、2022年7月、8月にそれぞれ1回ずつ実施した。
●進路相談会
進路決定に際し、知識の不足、言語の壁、親の知識・理解など、より多くの課題を抱える外国ルーツの子どもが、同じルーツを持つ高校生・大学生の話を聞き、相談できる機会を設けることで、自らの進路につい考えることができる機会を設定した。また、入試制度の解説も行い、進路決定に関する知識の底上げを図った。居場所づくり活動にも共通するが、ロールモデルに乏しい外国ルーツの子どもにとって、同じルーツを持つ年長者と交流することによる将来像の構築も合わせて図っている。
●在留資格勉強会
当初、本事業においての実施を計画していたが、対象者が子どもより大人中心になること、専門家との相談会を併催するべきとの声が上がり、弊会が豊島区で実施する外国人への緊急支援事業の一環として実施した。
活動日数 50日
支援対象者実人数 20人
支援対象者延べ人数 424人
参加ボランティア実人数 17人
参加ボランティア延べ人数 71人
本助成金による活動の成果
①「居場所」が継続して存在していること
本事業においては、オンライン上で居場所づくり活動を毎週土曜日に継続して実施した。子どもたちの活動に対する意見として、「みんなと話すのが楽しい」「スタッフと会える」などが挙げられており、他者との交流を通して子どもが自らの居場所だと感じることができる場所が、継続的に存在している環境を作ることができた。これにより、他者との交流がより制限されるコロナ禍において、外国ルーツの子どもの孤立を防ぐことができたと言える。
②現場の運営能力強化
活動においては、居場所スタッフが準備から当日の運営を自ら担っている。
スタッフ及び連携団体に対して実施したアンケ―トによると、スタッフ全員が、活動を通じた運営管理能力の向上を述べている。活動を重ねることによってスタッフの能力が向上し、達成された成果であると言える。
③オンラインノウハウの蓄積
これまで120回ほどのオンラインプログラムを実施した。それに伴い、運営ノウハウのほか毎回のプログラム(スライド)が蓄積されている。今後は、他地域への展開等の活用を検討している。
④ロールモデルとしての年長者の関わり
外国ルーツの子どもは、ロールモデルに乏しく将来像の形成が難しいとされている。本事業では、高校に進学した元参加者が、現参加者の中学生に自らの体験を伝えるなど、参加者から参加者をサポートする側への変容がみられた。また、進路相談会においては複数のゲストスピーカーを招き、多様な背景を持つ年長者の話から話を聞くことにより、将来について考えるきっかけとすることができた。現参加者と、元参加者・年長者の関わりは、将来像の構築や自己肯定感など、双方にとって有益に繋がると考えられる。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・オンラインによる交流の限界と対面での取り組み。
対面での交流が制限されがちなコロナ禍において、感染対策と孤立防止を両立させるための活動として、オンラインでの居場所づくり活動を実施した。自宅にいながら気楽に参加できるため、「対面より参加しやすい」との声もあり、一定の成果を見出すことはできた。一方、参加する子どもが画面をオフにしてしまう、こちらからの問いかけがないと話をしづらいなど、活動において子どもの自発的な行動を促すには、オンラインは制約が大きい。
対面の取り組みはコロナ禍において控えていたが、助成期間終了後の2022年10月16日にネパールルーツの子どもたちを対象として、対面で集まる機会を設け、16名が参加して活発な交流が行われた。一方、普段オンラインで参加している子どもは、対面での参加に積極的ではなく、子どもの性格や交友関係によって、参加したい活動は異なることがわかった。
今後は、どこでも気軽に参加できるオンラインと、子どもが自発的に交流できる対面、両者の特性を生かした活動を検討していく。
・参加者増に向けた取り組み
「居場所づくり」では、継続的に参加する子どもが一定数いる一方、全体としては参加者数が想定より伸びなかった。オンラインの特性を生かして全国展開するか、あくまで地域の活動の延長線上として行うかは、今後方向性を定める必要がある。
・ボランティアの関わり
活動の持続性を鑑み、継続して主体的に活動を担うボランティア確保の必要性を痛感した。ボランティア参加者にとっても居場所として機能できると、継続的な参加を期待できると考えられる。また、活動全体において、スタッフと参加者という縦の交流は盛んだが、参加者同士という横の交流、地域との交流が乏しかった。横の交流によって互いの理解を促進させる必要がある。
・対象者の範囲
「外国ルーツの子ども」は、国籍、言語、出身地など様々な背景を持つ子どもが含まれる、非常に意味の広い言葉である。参加者の言語や文化に配慮しながら活動を進める必要があり、本事業は4言語に対応できる体制であったが、効率的な運営を目指すには対象者の範囲を絞ることも今後の方向性として考えられる。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://sva.or.jp/activitynews/ibasho220409/
https://sva.or.jp/activity/japan/
寄付してくれた人へのメッセージ
温かいご支援を頂き、誠にありがとうございます。ご支援を活用して、従来から孤立を抱えやすい外国ルーツの子どものための「居場所」づくりを続けることができました。コロナ禍で人とのふれあいが減った子どもたちにとって、自分らしく過ごすことができ、笑顔があふれる場になりました。皆様からのご支援は子どもたちの笑顔に形を変え、お気持ちを繋ぐことができました。子どもたちにとってこの経験は、将来を支えていくに違いありません。心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。