外国にルーツがある子どもたちのための日本語指導や教科学習の支援及び多様な文化交流活動を通しての居場所づくりと、彼らの家庭への多様な支援活動

団体名 ワールドアミーゴクラブ

都道府県 滋賀県

助成額 161,793円

活動開始日 2021/12/16

活動終了日 2022/9/29

助成金で行った活動の概要
20年近く外国にルーツを持つ子どもたちの日本語や学習支援活動をしていく中で、子どもたちの背景は社会や経済の影響をうけて多様で、しかもその困難さも時代とともにかわってきている。今回のコロナ感染下においては2008年~9年のリーマンショックによって多くの南米出身の日系就労家庭が経済困難に陥った時と同様な状況にある家庭がいくつか見られ、以前と同様に食糧支援などが必要とされ、毎月1回の食糧支援を行った。
 また参加する子どもたちの多くは日本生まれや、幼い時に来日し、地域の保育園や学校に通っている。その子供たちにとって第一言語が日本語というケースが多くみられるようになり、母語で簡単なコミュニケーションは取れるものの、母語での読み書きは出来ない子どもたちが多くなってきた。その子どもたちに母語や母文化への関心を深める必要性を強く感じるようになり、また子どもたちの自己肯定感や自尊感情を高めるために、読書活動のきっかけとして多言語絵本を導入することにした。最後に子どもたちの学習理解力についてである。多くの子どもたちは日本語での日常会話は問題なくこなせている。しかし中には学年が上がるにつれて教科学習の理解や定着が難しくなる子どもが見られるようになった。週1回の活動で、しかもボランティアの数も十分ではない中で、子どもたちが一人でも学習できる環境が必要となり、タブレットを導入することにした。漢字や計算ドリルなどがケーム形式で楽しめるアプリで基礎力アップを図った。

活動日数 54日

支援対象者実人数 50人

支援対象者延べ人数 414人

参加ボランティア実人数 37人

参加ボランティア延べ人数 284人

本助成金による活動の成果
今回の助成金交付をうけて行った3つの事業についての活動の詳細と成果については下記のようになる。
①生活困窮状態の3つの家庭への食糧(主に米、パスタ、缶詰、野菜、ブラジル食品など)支援を12月から9月まで10回、そしてコロナに感染し食料調達が難しかった3家庭にも要望を聞き取りして必要な食糧支援を行った。また毎週土曜日の活動の中で参加する子どもたちへ軽食配布を3回行った。毎月行った食糧配達時には保護者と言葉を交わし、状況を聞き取ったりし、繋がりを深めることができた。
②WACのこどもたちの背景は多様である。ルーツもブラジル,中国、フィリピン、ベトナムが多く、来日年数も来たばかりから10年以上日本に住んでいる子どももいる。最近多いのは日本生まれの子どもたちであり、その子どもたちのとっては日本語が第一言語で、家庭内のコミュニケーション言語として母語が使われている。子どもたちや保護者にもっと母語についての意識を持ってもらいたいという思いで今回多言語絵本を多く購入し、各家庭で日本の昔話などを母語や日本語で楽しんでもらった。母語に興味を持った子どもが母語でかかれた『ハリーポッター』を読んでいる姿を目にすることがあり、少しでも子どもたちの興味を引いたことをうれしく思った。
③子どもたちの充実した学びの場を提供することを目的にiPadを購入し、教科学習や基礎学習(漢字や算数の計算)の支援に取り組んだ。 iPadには『NHK for school』や学年ごとの漢字練習や計算ドリルなどのアプリをいれて、子どもたちは自分で取り組めるようにしている。毎回の活動では子どもたちは学校の宿題や、日本語学習の課題を持ってきて、学校では十分に理解できなかった内容をボランティアに丁寧に教えてもらいながら、理解を進めている。その学習が終わったらお楽しみとしてiPadのお絵かきソフトなどを友達と会話しながら作成し、そこでしか会えない友達との繋がりもできている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
このコロナ禍はまだまだ予断を許さない状況で、特に最近の生活必需品の価格高騰が子どもたちの家庭に重くのしかかってきている。保護者の就労状況も派遣社員が多く、経済的に安定しているとは言い難い家庭が多い。そこで食糧を届けることで少しでも経済的な負担を減らし、子どもたちにとって安心、安定した家庭生活ができるようになってほしい。また土曜日の活動に参加する子どもたちの中には十分に食事をとらずに来ている場合もあり子どもたちへ軽食を提供することで安心感を与えたい。
 また地域の学校に在籍し、日本の子どもたちと同様に教科学習を受けていくことは、その家庭環境の違い(保護者の日本語力の差)などから、きめ細かに支援していく必要がある。日常会話ができることで見過ごされてしまいがちな子どもたちの教科学習理解を確実なものとし、中学校、そして高校への進学につなげていきたい。
 そのためには学校現場と密接な連携をとれるようにすることやボランティア支援者の充実を図っていきたい。また保護者とつながることも重要なことである。保護者の多くは日本語もよくわからず、自分の国とは違う文化の中での子育てという不安を抱えている。特に言葉の問題で地域社会の情報が得にくいことなどは日本人ボランティアが支援できることだ。そして母語や母文化の大切さなどを保護者に伝えていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/profile.php?id=100064818635288



寄付してくれた人へのメッセージ
外国にルーツがある子どもたちの学習支援、居場所づくりをボランティアで20年続けています。今回、赤い羽根共同募金の助成金を活用して、新型コロナ禍において生活が厳しい子どもたちの家庭に食糧支援を行えたことはとても助かりました。また、学習支援等普段通り実施できない時期もありましたが、iPadを購入し子どもたち個々に応じた学習支援もすることができました。赤い羽根共同募金のおかげで、コロナ禍の厳しい時期においても、外国にルーツがある子どもたちやその家庭を支援する有意義な活動をすることができました。本当にありがとうございました。