居所を失った外国人技能実習生を保護するためのシェルター事業

団体名 特定非営利活動法人 労働相談.com

都道府県 岐阜県

助成額 1,000,000円

活動開始日 2021/10/5

活動終了日 2023/6/2

助成金で行った活動の概要
技能実習制度は1993年に「開発途上地域等へ技能移転を図り、その経済発展を担う『人づくりに協力する』ことを目的として創設されたが、実態はアジア諸国からの低賃金労働力の輸入であり、技能実習生は技術を学ぶのではなく雇用の調整弁とされる非正規労働者のさらに下位に位置する最低賃金で就労する存在である。劣悪な居住環境、安全衛生教育がなされないままの危険な作業、最低賃金さえも払われず割増賃金もない長時間労働等で、奴隷のように扱われる実習生は多い。国連は以前よりこの状況を「人身売買」だと指摘しているが、根底には持たざる者への差別意識が存在する。しかし、現行の実習生法では、就労先移動の自由がなく、入国時に決められた実習先を移動するには相当な理由が必要な上、外国人技能習機構の許可がないとできない仕組みである。彼らは、技能実習生の身分を手に入れるために本国で年収の1年分程度の借金をしてきており、事業主に最低賃金との差額を要求したとたん解雇され、帰国させられる危険があるため、労働組合や労働基準監督署に、なかなか救済を求めることができないでいる。そのため安全を確保できるシェルターは欠かすことのできない存在であるが、当シェルターの食堂部分は支援者の自宅兼用スペースであり不便であったため本助成で新たに独立した食堂兼ミーティングスペースが確保できた。

活動日数 365日

支援対象者実人数 15人

支援対象者延べ人数 5475人

参加ボランティア実人数 4人

参加ボランティア延べ人数 1460人

本助成金による活動の成果
当シェルターの存在は、SNSを通じて各国の実習生に広く知られており、相談件数が減ることはない。以前のような未払い賃金事件は減少したものの、労災事故、長時間労働やハラスメント被害によるうつ病、会社の倒産、強制帰国からの脱出者等、次の就労先を探すまでに時間を要する案件が増えている。なによりも当シェルターにたどり着けば、食事と医療、失業保険の受給、労災申請、傷病手当金申請、職探しから在留資格変更まで日本で暮らすための一切の支援が受けられる。妊産婦のケアも可能である。同時に、そのため滞在日数も多くなりがちである。治療や療養のための滞在にせよ転職活動のための滞在にせよ国籍の違う実習生のシェルター生活を少しでも快適にするために、食事や学習の場所を整備することは急務であった。本助成により新しいシエルターの一階部分に清潔で快適な食堂を設置できたが、ここは食事の場所のみならず、特定技能試験や日本語能力試験のために落ち着いて学習したり、会議を行うための独立スペースであり、日本での就労中に不当な扱いを受けた実習生にとって、希望をつなぐことができる場所、孤立を防ぎ、それぞれの抱えている問題を共有しあって生活できる場所である。当シェルターに入居すれば不法滞在になることはなく、住民票と健康保険証を持つことができ、一旦は不幸な事件に巻き込まれた実習生も、再び働くことができるように回復していくのである。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
シェルターには常時15名程度が滞在しており、個室が確保できず相部屋になってしまう。個室を用意する必要があるが利用料が高くなってしまうのが課題である。食費や光熱費の高騰もあるが本人負担利用料(一泊1500円)を値上げすることは難しいと思われる。国の制度である技能実習制度の犠牲者たちを保護救済することで不法滞在者の増加を防いでもいる意義ある活動であるにもかかわらず、会社も監理団体も自らシェルターに避難した実習生を行方不明者と断定し、決して助けようとはしない。また日本の暮らしを支えている外国人技能実習生が未だに奴隷労働をさせられていることを、シェルター事業を通じて啓発しなければならないが、経営が苦しく人件費を支払うことができないでいる。事業継続そのものが課題である。今後は第二シェルターの2階から4階の居室部分を完成させるためにクラウドファンディングでの資金調達に取り組みたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://岐阜.全国一般.jp



寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付を下さった皆様、本当にありがとうございます。私たちは家族の生活のために、日本に希望を持って働きにきましたが、いろいろな問題にあって会社に居られなくなり、住むところもなくて本当に困っていました。でも皆様のおかげで、きれいになった部屋で皆で食事ができるし、会議や学習ができるので、本当に感謝しています。心から感謝しています。ありがとうございました。