団体名 特定非営利活動法人ダイバーシティ工房

都道府県 千葉県

助成額 2,100,000円

活動開始日 2022/4/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
当法人が運営している若年女性を対象とした民間シェルタール・ファールを居場所として、関係機関や当法人LINE相談等他事業からの紹介、本人からの問い合わせ等で繋がることのできた10代から30代(中心は20代前半)の女性に、必要とする支援に繋がるまでのサポート、その後のアフターケアを継続してまいりました。利用者ご本人のそれぞれの状況と意向を確認し、居場所を必要とする、受け入れ可能な方にはシェルターを利用していただきました。関係機関と連携を行い、生活に密接しているからこその、細やかな気付きの共有、シェルターでの生活の中での困りごと解消、これからの生活に向けたサポートという役割を担いました。具体的には、栄養バランスが取れ、経済的にも可能な範囲を意識しての食材購入や調理の方法、防犯や防災を意識した室内外での過ごし方、体調不良の際の通院の促しや服薬管理の方法を伝えるなどして、自立後も必要な生活スキルの習得のサポート、通院、ハローワークや生活支援課、中核生活支援センター等の関係機関への同行支援を行いました。また、通所で利用している高校生には、相談できる大人のいる、安心できる放課後の居場所として、家庭的な雰囲気の中での食事提供や身だしなみの整え方、進路についてのサポートなどを行い、児相をはじめとした関係者会議にも出席し情報や支援方針の共有などを行いました。また、シェルターを退居し一人暮らしを始めた方達には、寄付でいただいたお米などの食材を配布しに行き近況を伺いました。年末にはシェルター・ルファールで大掃除・クリスマス会を行い、現旧のシェルター利用者や関係機関の方に声を掛け、集まって一緒に掃除をする、会食をする時間を設け、近況報告を聞くなどの活動を行いました。

活動日数 275

支援対象者実人数 27

支援対象者延べ人数 31

参加ボランティア実人数 1

参加ボランティア延べ人数 1

本助成金による活動の成果
事業を通して新たに10名の方のシェルター利用に繋がりました。またシェルター利用のほか、4名にアフターケアを実施し、13名にLINE相談や関係機関をご紹介しました。シェルターの入居利用者には、安心して休み、不安や困りごとを相談し、落ち着いて先のことを考える、一歩ずつ進めていける環境を継続して提供することができました。利用者それぞれの事情に合った形で、シェルターから仕事や施設見学などにも行き、社会と繋がりを持ちながら安心して生活することができ、次へのステップに焦らず無理のないタイミングで進めました。シェルター退去後は、自立支援医療を受けながら自分のペースで就労する、生活保護を受けながらアパートを借りて就労継続支援を受けるなどの形で自立をして生活しています。また、LINE相談に来た方で居場所に困っている女性を、当法人のシェルター利用、関係機関への相談に繋げ、シェルター退去後もLINE相談を通してのフォローを継続することができています。また、シェルター利用者、自立援助ホーム入所児、それらの問い合わせいただいて利用に至らなかった方々にもLINE相談を紹介し、その時々で相談先を選ぶことができる、いつでも相談できるような形を作ることができています。希望する方には食料を届ける、法人や拠点でのイベントに声掛けをする、という形でシェルター退去後も連絡を取りながら、現状の確認をすることもできています。やり取りの中で気付いたことなどを関係機関にも共有し、必要な支援に繋がっています。退去後に就労がうまくいかず退職した女性には、当法人での作業手伝いなどの機会を提示し参加してもらうことができ、自信の回復、孤立化の防止などになっています。通所の高校生は、思春期ということもあり父親との関係が難しい状況でした。シェルターで一緒に過ごしている時の本児の言動、気持ちを関係者会議で父親にも伝えることができ、関係性の改善に繋げることができています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
一番の課題だと感じていることは、民間シェルターとして運営を継続していくことの難しさです。当法人のシェルターにも途切れることなく、関係機関や当事者からの利用問い合わせがあり、必要とされる場所であることを実感しておりますが、2022年末を持って一時閉鎖となりました。運営継続にあたっては資金面、人材確保面での難しさが大きくあると思います。資金面では公的な補助が見込めず、助成金、寄付金などを頼るしかありません。マンスリーサポーター新規獲得のためには、地域の課題と支援の必要性を伝えるイベントの開催(計8回)、活動報告の充実化などを図り多くの潜在寄付者との繋がりは生まれたものの、安定した寄付獲得のためには長期的な取り組みが必要であり、さらにそのためには法人全体における組織基盤の強化が課題であることも改めて見えてきました。人材面では、シェルター利用者は被虐待など過酷な経験をされてきた方も多く、経済面や心身の健康面を含めてとりまく環境も複雑です。直接的な関わり、関係機関との連携でも高い専門性を必要とするケースがほとんどであることが分りました。シェルターの職員では対応が難しいことは積極的に関係機関に相談する、深刻なトラウマを持つ方への支援方法を学び、代理受傷によるバーンアウトを予防するためにメンタルサポートを受けるなどの対応の必要性を感じ、実施しました。また、シェルター退去後、生活保護等で安定した収入と家が確保されてもそれだけでは、安心して自立した生活を継続することが難しい方がいることがわかりました。理由は心身の不調や障害、経験不足などそれぞれですが、日々の生活や就労、金銭管理、役所での手続きなどでサポートが必要です。ご本人の自立への意思意欲を尊重しながらも、困った時に相談できる関係性を継続する。必要な機関に繋げる、ということを行っていきます。今後は、長期的に安心して生活できる居場所の選択肢を増やすために、若年女性と母子対象の、グループホーム、ステップハウス、シェアハウスなど、様々な形態の居場所支援を行っていく予定です。形を変えて増えていく居場所を利用して、将来的にはシェルター的な活動も行えるようにしていきたいと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.diversitykobo.org/post/%E8%B5%A4%E3%81%84%E7%BE%BD%E6%A0%B9-%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%84%9F%E6%9F%93%E4%B8%8B%E3%81%AE%E7%A6%8F%E7%A5%89%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%80%8C%E5%B1%85%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%82%92%E5%A4%B1%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%BA%BA%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%8A%A9%E6%88%90-%E7%AC%AC4%E5%9B%9E%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%8E%A1%E6%8A%9E%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F
https://www.facebook.com/diversity.cobo/posts/pfbid036dCavBB7Z7i5LpRDvwDydFZHWq95j7KCpHBfDQUiKTE7yaYttc9W9iTCwev4MxnMl



寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付によるご支援に、心より御礼申し上げます。制度の狭間にこぼれ落ちてしまう状況に対する受け皿として、今年度も若年女性の居場所としてシェルターを運営していくことができました。寄付者の方からは、「シェルター退去後もどうか安定した生活を送ってほしい」というお言葉・思いとともにご寄付をいただくこともありました。実際にそうしたご寄付により、退去後の方にも食料を購入して届けに行くなど、ゆるやかに関係性を継続させることができています。今後はより持続的に、女性一人ひとりがそれぞれの状況にあわせた暮らし方を選択し、生活を送っていくことができる支援や拠点の提供を模索していけたらと考えています。