こども食堂の感染症対策促進のためのチェックシート、対策宣言ステッカーの制作と番組制作・各地イベントによる普及事業

団体名 特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

都道府県 東京都

助成額 2,750,000円

活動開始日 2020/12/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
本活動の目的は、こども食堂における感染症対策に有益なツールを制作し、それを普及させることにより、こども食堂の活動再開を促進することである。活動にあたり、①感染症対策チェックシート、②対策宣言ステッカー(マーク)、③番組の3点を作成した(詳細は下記特設ページを参照)。コンテンツはいずれも日本小児科学会・日本小児科医会・日本外来小児科医会の後援を受けている。マークは厚労省後援。少しでもこども食堂運営者が抱える不安を払拭できるよう、医学の専門家の知見に基づいたツールを作成した。<https://musubie.org/corona/> 以上3つのコンテンツを全国のこども食堂運営者や地域ネットワーク団体など関係者に周知し、再開への後押しができるよう、各地の地域ネットワーク団体と下記の要領でイベントを開催した。いずれのイベントもオンライン、あるいは会場とのハイブリッド形式で実施し、会場は来場者の制限や消毒の徹底など感染対策に努めた。【日付と場所、参加者】2021年2月27日@オンライン(参加者:109名)/2021年4月3日@愛知(参加者:66名 うち20名会場参加)、2021年5月21日@山口(参加者:37名) ※会場使用なし/2021年5月23日@神戸(参加者:57名) ※会場使用なし・2021年5月31日@新潟(参加者:86名 うち29名会場参加)/2021年6月2日@滋賀(参加者:47名 うち28名会場参加)、2021年6月6日@岩手(参加者:71名 うち36名会場参加)/2021年10月31日@福岡(参加者:41名 うち20名会場参加)、2021年12月17~18日@オンライン(参加者2日間計:45名)※上記イベントに加え、むすびえ理事長・湯浅が登壇する講演会(宮崎、鳥取、京都)にて感染症対策ツールを紹介した。共催した地域のネットワークには、印刷した感染症対策宣言マークを配布し、イベントに参加したこども食堂運営者がすぐに活用できるようにした。【イベントの内容】・むすびえ理事長・湯浅による基調講演 ・むすびえ制作コンテンツの紹介(コロナ特設ページの案内、コンテンツの使用方法など) ・こども食堂運営者による感染対策事例紹介 ・「こども食堂エピソードブックある日のこども食堂 ~”ちょっと気になる子”との関わり~」(https://musubie.org/news/3198/)の紹介及びこども食堂運営者による登壇。 こども食堂における”ちょっと気になる子”との出来事を紹介することで子どもの居場所の重要性を再確認してもらった。 ・イベント参加者による困りごとや対策事例の共有会。 ・10月以降は新たな試みとして、むすびえ側からのコンテンツや事例紹介に加えて、小グループを作成して参加者同士で運営上の困りごとや対策事例を共有できる時間も設けた。  3つのコンテンツに加えて、7月には動画を新たに作成した。同時期、若年層への感染も急拡大したことを受けての対応である。また、10月以降のイベントにおいて各こども食堂運営者から得られた感染対策事例を集めたWeb ページを制作した。むすびえHPにて公開し、イベントに参加することができなかった方も閲覧し、実践に活かせるような形にしている。Web 記事URL:https://musubie.org/corona-category/

活動日数 36

支援対象者実人数 559

支援対象者延べ人数 56

参加ボランティア実人数 236

参加ボランティア延べ人数 252

本助成金による活動の成果
各イベントの事後アンケートによると、参加したこども食堂運営者は高い満足度を示していた。自由記述の部分からは、イベントで知り得た感染症対策を実践したい、活動を再開していきたい、といった声が多く挙げられている。弊団体が四半期に一度実施しているこども食堂向けのアンケートの7月分の結果では、「現在開催」「1,2カ月後に開催を予定している」と回答したのは全体の半数を超え、未定と答える割合が激減していることが明らかになった。ワクチン接種による影響もあるため、測りづらい部分はあるが、本事業による成果も一定程度あると考えられる。イベントを繰り返し実施する中で、参加するこども食堂の中には、既に感染症対策ツールを使用して居場所を再開している人も見られるようになった。弊団体が毎年12月に発表している全国箇所数調査によると、2021年12月時点でこども食堂は6,000箇所を超えており、前年比で1,000箇所以上増加していることが明らかになった。コロナ禍においても子どもの居場所を維持することの重要性や、その際に必要な感染対策に関する情報を届けることができたからであり、本活動も寄与できたと考える。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
【課題】①最新情報のチェックと発信:変異株の発生、感染者の増加・年齢層の変化など、感染状況が刻一刻と変わるため、常に最新情報をアップデートし、発信することが必要となった。若年層への感染も増えてきたことを受け、2021年7月にコンテンツの改定を行ったが、今後も同様の対応が求められると考えられる。 ②多様化する課題への対応:イベントを繰り返し開催し、参加者の声を聞く中で、こども食堂運営者の抱える問題は、「どうすれば感染を防げるか?」といったものだけではなく多岐に渡ることが分かった。運営ボランティア間の合意形成、公民館やコミュニティ・センターなどの貸出休止による場所の確保、もしも感染者が出た際の対応、会食形式を開催した場合の運営方法、パントリー形式の継続などが挙げられた。 【今後の取り組み】①変化する感染状況に対して、小児科学会の見解に基づいた最新情報を、こども食堂運営者に届けるよう努める。②「どうすれば感染を防げるか?」という感染対策の事例紹介に加え、感染症に付随する様々な課題について考えていく必要がある。今後もこども食堂運営者同士が対話を通じて学び合う機会を提供し、その場で得られた情報を発信する。尚、今後の活動経費は当面、弊団体に寄せられる個人・法人の寄付を活用する他、こども食堂の感染症対策に関心を持つ企業にアプローチしたり助成金を活用したりすることで資金を獲得していく。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://musubie.org/corona/
https://musubie.org/news/3239/