自殺相談最適化事業ーメンタルヘルスに悩む外国人が英語で相談できる国際基準の自殺相談対応を取り入れた緊急ライフラインサポート底上げ

団体名 特定非営利活動法人 東京英語いのちの電話

都道府県 東京都

助成額 1,816,420円

活動開始日 2023/10/1

活動終了日 2024/9/30

助成金で行った活動の概要
TELLでは本助成金により、現在活動中のボランテイア相談員および現在研修中の見習い相談員、2024年に新しく研修を受ける研修員を含むすべてに対して、既存の研修に加え、相談員・研修員をQPRゲートキーパーとして養成。CPR(心肺蘇生法)と同様、QPRは精神的危機的状況に直面した人の命を救うこころの応急措置です。そのゲートキーパーを養成するQPRトレーニングは米国のQPR Instituteで開発され、自殺の危険サイン、およびその対応方法を実証に基づいて教える世界で最も用いられている一般および専門家向けのゲートキーパー養成トレーニングです。全ての相談員が国際的に認められたプログラムによって養成されることにより、実際にサービスを使う相談者はもとより、資金提供者、保健・地域サポート機関や、支援を必要としている人達に、TELLのサービスを紹介する側の人たちにとっても、安定した、ハイクオリティーで安全なケアを提供する場所としてTELLへのアクセスを保証することができます。TELLは自殺防止ゲートキーパートレーニングを15回行い、現在活動中のボランテイア相談員全員をゲートキーパーとして養成。また、2024年には相談員研修生をゲートキーパーとして養成。ゲートキーパー養成トレーニングによりレベルを上げた相談員を増やしつつ、日々メンタルヘルスに悩む外国人に対し、電話・チャット相談支援を行い、緊急性を要する自殺相談3000件以上を含む9000件以上のライフライン相談に年中無休で対応。

活動日数 365日

支援対象者実人数 8861人

支援対象者延べ人数 9071人

参加ボランティア実人数 210人

参加ボランティア延べ人数 210人

本助成金による活動の成果
1年間を通じ、15回のQPRトレーニングセッションを開催し、210名のLifelineボランティアが自殺予防ゲートキーピング認定を取得しました。その中には、22名のスーパーバイザーと4名のトレーナーも含まれています。受講者は、オーストラリア、カナダ、ギリシャ、フィリピン、アメリカ、メキシコ、南アフリカ、ナイジェリア、ジャマイカ、マレーシア、モンゴル、中国、アイルランド、ベニン、フランス、ドイツ、ケニア、韓国、ニュージーランド、ネパール、イギリス、ベトナム、日本など多様な国から参加しており、受講後は日本国内で職務を遂行する上で、自殺の兆候を認識し、介入できるスキルを身に付けました。また、地域社会で自殺やメンタルヘルスについて人々を教育する重要な情報源となり、TELLのLifelineが持つ情報・研修内容を活用して”命を救う”というTELLの使命を広める存在に育ってくれました。

昨年、Lifelineでは合計8,861件の問い合わせがあり、過去6か月間で通話量が20%増加し、多くのユーザーは経済的なストレスを抱えていました。そのうち3,845件の会話で自殺に関連すると迅速にフラグが立てられました。これは、ボランティアが自殺を示唆する明示的・暗示的な警告サインに気づく意識が高まった成果です。また、コミュニティ内では、職場での自殺防止意識の重要性を再認識したボランティアも多く、特に自殺を経験した職場では警告サインの認識や予防策の教育の重要性が見直されました。その結果、4件の学校や職場向けQPR導入の推薦がアウトリーチ部門に届きました。

本プロジェクトの副次的な目標の1つは、ボランティア間の対面での交流機会を増やすことであり、COVID-19以来の4回の対面セッションを実施しました。これらは非常に好評で、サポートワーカーによる月次の集まりが新たに始まるきっかけとなりました。

組織としては、QPRを広範に展開する能力が高まり、全部署で自殺予防の重要性が浸透しました。Lifelineでは、全トレーナーがQPR認定を受け、新規ボランティアの初期トレーニングおよびオンボーディングの基礎としてQPRトレーニングを導入しています。LifelineでのQPR導入と並行して、アウトリーチ部門もLifelineトレーナーの支援を受け、コミュニティ内でのQPR活動を展開しています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
当初は対面で6回のトレーニングを実施する予定でしたが、日本各地のボランティアを集めるには物理的に課題があったため、4回のみの実施にとどまりました。しかし、開催できた対面セッションは非常に有効で、ボランティアたちは新しいスキルを学ぶ機会だけでなく、集まりつながりを築く機会を得られたことでボランテイア間で交流と結束が高まりました。日本各地にボランテイアが居る現状、対面でのトレーニングには人的およびコスト的に課題が残ります。また、ボランテイアのメンタルヘルスを維持するためにも継続的につながりを持ち、彼らのニーズにも答えることが大切だと考えます。ボランテイアの心理的負担の軽減は最大の課題です。

また、対面参加が難しかったボランティアには、オンライン提供を拡充し、日本国内だけでなく世界中から自殺予防のトレーニングに参加できるようにしました。(TELLのボランテイアは海外からもシステムを通じて相談業務を行っています。)オンラインでも、いかに効率的にかつ、内容の濃いトレーニングを提供するか、常に改良を重ね継続的に提供していくことが必要だと考えます。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://telljp.com/grant-support/
https://drive.google.com/file/d/1QIBsfPbDVsQ6hTe61okDgM_Sbl1T2Zn9/view



寄付してくれた人へのメッセージ
TELLスタッフ一同、心より感謝申し上げます。皆様からのご支援が、メンタルヘルスの問題に苦しんでTELLのライフラインに相談してこられる方々に対し、安全と安心を確保した危機支援サービスを提供することを可能にしてくれています。さらに大切なのは、相談者が「声を聞いてもらえる」「ひとりではない」という確信を持てるようになっていることです。私共TELLとその使命に信頼をお寄せいただき、ありがとうございます。皆様のご支援が、希望を失った方々の人生に大きく前向きな変化をもたらしています。

「ありがとうございます。今、とても安心しています。あなたとあなたの仕事に本当に感謝しています」という利用者の言葉は、私たちだけでなく、この助成を可能にしてくださった皆様やそのご関係者の方々にも向けられたものです。改めまして、私たちを信じてくださり、ありがとうございました。

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