都道府県 福島県
助成額 1,987,927円
活動開始日 2024/1/1
活動終了日 2024/9/30
助成金で行った活動の概要
外国の子どもサポート担当職員が①外国の子どもへの日本語サポーター活動に関わるコーディネート ②子どもへのフォローアップ支援 ③県南地域及び相双地域におけるサポーター養成研修 ④スキルアップ研修会開催 ⑤帰国・外国籍児童生徒等関係者会議 ⑥相談対応 ⑦外国人生徒等特別枠選抜実施校実態調査を行った。
①は市町村教育委員会からパキスタン、フィリピン、ブラジル、ベトナム、ボリビア出身の22人(小学校11、中学校11人)の初期指導の依頼を受け、学校、教育委員会と状況を確認した上で、期間内に適切な指導可能なサポーターをコーディネートした。
②対象者は9名であったがフォローアップ実施者は1名であった。なお、実施しなかった8名の理由及び内訳については、県外への転出者が5名
であり、学校生活に馴染み学習にも取り組めているため訪問不要と判断した子どもが3名であった。
③は相双地域では近隣のいわき市で活動している日本語教室代表等が講師を務め、これから子どもの指導に関わる学校関係者にきめ細やかな指導を行った。県南地域では外国の子どもサポート担当職員が個別に指導を行い、支援に入る前の準備や指導法を伝授した。
④は高瀨円氏(NPO日本語・教科学習支援ネット)を講師に招き、さまざまな指導法や教材の活用方法に大きな学びが得ることができた。
⑤は「高校入試」をテーマに開催、外国にルーツがある子どもが通う学校関係者や指導に関わるサポーター等が55名出席し、進学する高校での日本語指導等について情報を共有した。
⑥は地域の支援者や教育委員会等から寄せられるさまざまな質問に対し助言を行った。
⑦は県内7校を訪問し、選抜試験、支援体制、課題などについて担当教師から聞き取りを行った。
活動日数 131日
支援対象者実人数 17人
支援対象者延べ人数 372人
参加ボランティア実人数 15人
参加ボランティア延べ人数 371人
本助成金による活動の成果
➀外国の子どもへの日本語サポーター活動に関わるコーディネート
活動に携わる市町村教育委員会は、日本語習得には時間と丁寧な指導の必要性、及びサポート継続にあたって予算措置が必要との認識が浸透している。学校関係では、来日後1年間日本語指導を受けていなかった児童のいる学校に、前年度サポーター活動により日本語指導を経験した学校の校長が異動になったことで、新たに日本語指導に繋がる良い事例となった。また、ムスリムの子どもが在籍する学校については、文化の違いや今後発生しうるケースについて助言を行い、関係者の不安解消の一助となった。
②子どもへのフォローアップ支援
フォローアップについては支援終了後、半年~1年を目安に訪問を行っている。アメリカ出身の1人(中学校1人)に対して、学校生活の様子や日本語の指導等について担任教師等に話を伺い、日本語指導への不安解消に繋げるため、最も適していると思われる支援方法を提案するとともに、日本語指導や教材の助言を行った。
③県南地域及び相双地域におけるサポーター養成研修
人材不足が深刻な浜通りにおいて、教育委員会へ人材の育成と雇用について提案を行うとともに養成研修を実施した。提案理由については、前年度サポーター派遣をしたが遠方のため、旅費が高額なうえ通勤が困難で支援途中でサポーターの交代があり待機期間も生じたことによる。今回の提案を受けて、学校、教育委員会が連携し働きかけを行ったことで、養成講座を受講した支援者が自治体の会計年度職員として通年で日本語育成の支援にあたることになり人材の発掘につなげることができた。今後も当事例を活用し周知に取り組んでまいりたい。
④スキルアップ研修会開催
子どもたちの明るい未来へつなぐをテーマに、子どもの環境、進学後の実際と題して、学校側の問題、家庭の事情、生徒のコミュニケーション及び制度的な課題について、グループワークでの実践的な研修をとおして、福島県内での日本語支援(散在地域、個別対応、指導時間の制限あり)を具体的にどうすればいいかを考える場となり、熱気あふれる研修となった。実施後のアンケートでは全員が「満足である」との評価とともに、受講者から新たに5名が日本語支援の人材バンクの登録につながった。
⑤帰国・外国籍児童生徒等関係者会議 帰国外国籍児童生徒等関係者会議
外国人生徒の高校入試と受け入れについてをテーマとした会議を実施したところ、例年より出席者(55名)が多く入試に関しては関心が高いことがわかった。特に県高校教育課のほか、県内の私立高校2校の発表もあり、中学校や日本語教室で子どもに関わる支援者にとって、普段得られない情報が共有され有意義であるとともに、活発に意見交換が行える機会となった。
⑥相談対応
サポート継続中から終了後も支援に使う教材についての問い合わせが多く寄せられるようになっている。これは、サポーターに任せにするのではなく、自分たちでもできることを増やそうとする学校現場の意識の変化の現れと感じている。教育委員会や学校とは今後も良好な関係を築きながら、信用を得て相談が寄せられる体制を継続していきたい。
⑦外国人生徒等特別枠選抜実施校実態調査
今回、初めて県内7校を訪問し、選抜試験、支援体制、課題などについて担当教師と情報共有を行うとともに、得られた内容については、会議等でサポーターと共有するなど今後の指導に繋げることができた。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
当該事業で当協会が抱える課題は、①サポーターの確保 ②指導の質の向上である。サポーターの高齢化に伴う活動地域の制限や、若いサポーターのライフスタイルの変化による活動辞退等に対応するために新しいサポーターを養成する研修会の開催等は行っているものの、外国の子どもの置かれている状況が複雑化しており、市町村教育委員会の限られた予算の中で成果を上げるためには、経験の浅いサポーターにはハードルが高い案件も多く、経験豊富な一部のサポーターに複数案件を依頼せざるを得ない状況にある。
外国にルーツのある子どもへのより一層充実した支援を行うためにも、サポート体制の充実を図るとともに、人材の発掘及び育成に力を入れる必要がある。本県の県南地域(白河市、西郷村等)と相双地域(相馬市、楢葉町等)の2地域で活動できるサポーターの育成が急務となっている。特に相双地域は、東日本大震災に起因する原発事故の影響で居住者数が著しく減少しているため、現在支援を行っている学校や教育委員会等の関係者等の中から人材を発掘し、自分たちで対応できるような知識や指導法を学んでもらうことを目的とした研修会を開催することが必要である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.worldvillage.org/news.html?id=5785
https://www.worldvillage.org/news.html?id=5729
寄付してくれた人へのメッセージ
皆さまからの心温まるご理解とご寄附をいただき、福島県内で生活する外国にルーツのある子どもたちへ支援することができましたこと、大変感謝しております。
子どもたちの日本語習得の最初の一歩をどのようにサポートするか、子どもに寄り添うことができるか、さまざまな課題もありますが、今後も教育委員会や学校関係の方々、日本語を指導するサポーターと連携しながら、より良い支援ができるよう継続してまいります。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
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