新型コロナウイルス感染症拡大の長期化等において、さらに生活が困窮している難民申請者への生活支援事業

団体名 特定非営利活動法人 難民支援協会

都道府県 東京都

助成額 1,000,000円

活動開始日 2022/10/1

活動終了日 2023/6/30

助成金で行った活動の概要
日本で暮らしている難民は、平常時でも経済的に苦しく、病気になっても簡単に医療機関を受診できないなど困難な生活を強いられている。今回の助成事業では、こうしたコロナ感染拡大の前から日本で暮らす難民への医衣食住の生活支援に加え、昨年10月、外国人の新規入国制限の解除以降に来日し、難民申請をした人たちへの緊急の生活支援も実施した。
本助成金の申請書作成時(2022年8月)、いずれコロナ感染拡大が収束し入国制限が解除されれば、新規難民申請者が増える見込みはあったものの、実際の増加数は予想をはるかに超えるものだった。その増加に伴い当協会の来訪者数も激増し、月平均50~60人・世帯から新たに相談を受けるようになった。相談者の数が増えただけでなく、特徴も変化している。従来当協会には、アフリカ、中東、南アジア出身の単身男性からの相談が多かったが、年初来、妊婦を含む単身女性、未成年、多子世帯からの相談も急増した。
来日直後、宿泊先も頼るすべもないという難民申請者も多く、当協会に初めて来訪したときから緊急生活支援を必要とするケースも急増している。具体的には、難民申請および在留資格変更等の手続きを説明し、宿泊先と食料を手配し、各出入国在留管理局において難民申請書が受理されたら、速やかに難民事業本部(RHQ)の保護措置への申請を促している。
この保護措置とは、初回難民申請者にとって唯一の公的支援であり、外務省からの委託事業としてRHQが実施している。入国後、就労許可も住まいもなく自立して暮らすことができない難民にとって大切な支援ではあるが、申請から保護費受給までの待機期間が長く(2021年は平均85日間)、年初来さらに長期化し、なかには180日近く待っている人もいる。半年間の医衣食住を一民間団体が下支えするには限界であると感じつつ、脆弱な難民申請者をホームレス状態にしないために、住居・食料支援を継続した。また、個別ニーズに応じて緊急医療や就学支援も行った。

活動日数 1482日

支援対象者実人数 257人

支援対象者延べ人数 3506人

参加ボランティア実人数 50人

参加ボランティア延べ人数 130人

本助成金による活動の成果
1)相談業務
助成期間中の事業活動日数は182日。来訪・電話による新規相談者は488人、そのうち257人が新規登録【注1】をして支援を継続している。難民申請の手続きや活用可能な社会資源の情報を提供し、メールアドレスのある登録者には、一斉メールという形で生活に役立つ情報7件を送信した。
2)食料品と生活必需品の提供
年初来、来訪者数が30人を超える日が増え、月間来訪者数は300~500人、前年同期比で7~8倍の増加である。これは、難民が入国後安定した住まいがないため当協会が手配した宿泊施設に住まい、数日に1度来訪して公的支援の手続きの進捗と体調を確認して食料を受け取るという生活を長期間続けているためである。
食料調達については、コメや調味料等は協働団体、予備青果は生活協同組合、ハラル食品は神戸物産、老舗のパン屋さんや支援者の寄贈により多角化が実現でき、本助成金で日々提供する果物や野菜、魚缶などの食料品を購入することができた。毎朝の食料の小分けは、ボランティアの方たちが分担した。洗剤や下着など寄贈だけでは足りない生活必需品を本助成金で購入し、ホステル滞在者に適宜提供できた。
3)食料送付
食料提供については、コロナ感染拡大が収束しているため、できるだけ来訪して直接受け取ることを勧めているが、遠方在住者や慢性疾患の人には宅急便で送付した。本助成金により、271件の送付が可能になった。また、予備青果など寄贈野菜の配送も本助成金により14件実施した。
4)住居支援
野宿者を出さないようにするため、ホステルや当協会が運営する短期宿泊施設(以下、シェルター)及び連携団体のシェルターなどを手配し提供した。本助成金によりホステル宿泊の52泊分が確保できた。
5)医療支援
人権侵害や紛争を逃れてきた難民はトラウマを抱えている場合が多いが、来日後も長期にわたりホステル暮らしを余儀なくされると、さらに体調が悪化することになる。RHQからの公的支援を待ち続けることもストレスの原因となっている。そのため、当協会と連携しているクリニックでの無料医療相談、毎月3人の難民を対象にした医療機関での健康診断、無料低額診療【注2】による医療機関受診、当協会との連携が実現した無料歯科クリニック受診、その他当協会近くのクリニック受診など、個々のニーズに合わせてできる限り適した医療につながるよう努めた。その都度スタッフが同行したが、そのための交通費は40件以上、本助成金で賄われた。

【注1】当協会では、難民該当性に関する聞取りをして支援方針を判断する新規登録を実施しています。
【注2】無料低額診療とは、医療や介護が必要であるにもかかわらず、支払いが困難な方に対し、医療機関が医療費等の減額や免除を行う社会福祉法第2条に基づく事業です。
 (出典:厚生労働省「無料低額診療事業について」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0121-7d.pdf)

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.refugee.or.jp/about/information/2023/07/akaihane2023/



寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、私たちの活動にご寄付いただきありがとうございます。私たちは、日本で暮らす難民・難民申請者を支援する団体です。母国での紛争や人権侵害から日本に逃れてきた難民の方たちの尊厳が守られ、安心して、ともに暮らせる社会を実現することを目指して活動しています。
 昨年3月以降、多くのウクライナの方たちが紛争を逃れるために来日されています。世界ではウクライナ以外の国や地域でも、内戦やクーデター、人権侵害などで母国を追われた人たちが増えていて、日本にも自力で逃れて来ています。今年に入り、新たに来日して難民申請した人の数が急増し、この半年の難民申請者数は6,900件を超えています。なぜ日本を選んだのか尋ねると、たまたま一番先にビザが取れた国だからという人もいれば、平和な国で自分を守ってくれると思ったからと希望に満ち溢れた答えが返ってくることもあります。
 ただ、日本では難民として認められることがほとんどなく、多くの難民申請者の方たちが母国に送り返されてしまうのではないかと不安を抱きながら、最低限の生活を営むことも保障されずにいます。
こうした人たちの生活を支える活動は、皆様からのご寄付なしには成り立ちません。改めて、皆様からのご寄付に感謝いたします。
どうもありがとうございました。

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