中野区鷺宮地域に外国ルーツの人や子ども、保護者のための「居場所」を作る事業

団体名 特定非営利活動法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援

都道府県 東京都

助成額 394,228円

活動開始日 2022/10/1

活動終了日 2023/9/30

助成金で行った活動の概要
1. 鷺宮地域「居場所」における外国ルーツの子ども・保護者の学習支援・子育て支援
①「げつよう②④ひろば」(鷺宮西住宅集会所)毎月第2・第4月曜日。中野区社会福祉協議会(中野社協)・中野区国際交流協会(ANIC)と連携。2022年4月~現在。
②「ぷらすひろば」(イチイ・プラスライフ鷺宮地域センター)毎月第1・第3土曜日。2022年4月~2023年5月。地域のニーズや中野区の政策をふまえ、対象を外国ルーツに限定せずより多くの子どもに支援を届けられるよう、同年6月③へ吸収・合併。
③「いんくるスペースさぎのみや」(鷺宮区民活動センター)毎月第1・第3土曜日。2023年6月~現在。不登校・家庭環境・経済的事情・発達特性・言語的環境など幅広いニーズに合わせて、子どもの学習支援と保護者の子育て相談を行ってきた。
2. 外国ルーツの子ども・保護者の「個別の発達支援」
当NPOや外部機関の心理士・言語聴覚士らが専門家相談員として参加。当NPO事務所・対象者の自宅・オンラインにて2022年4月~現在。
3. “学校-家庭-HATI JAPAN”をつなぐ「連絡帳」づくり
「居場所」や「個別の発達支援」を利用する子どもは、保護者の了解のもと学校と連携して支援を行うことが望ましい。2023年6月以降、近隣の小中学校訪問の際に学校長ら管理職へその必要性を伝え、子どもひとりひとりの指導に役立つ情報を“学校-家庭-HATI JAPAN”3者で共有するための「連絡帳」企画を開始した。
4. 地域支援ネットワーク「鷺宮グローバルネットワーク」の構築
①定例連絡会(毎月1回)中野社協を中心に、ANICと当NPOの3者で会議を継続中。
②「『居場所』づくり一周年記念報告会」(2023年5月31日)中野社協主催、当NPO・ANIC共催。鷺宮地域の人々に向け、外国ルーツの人々の「居場所」づくりについて報告し、「鷺宮グローバルネットワーク」構築を呼びかけた。当NPOは外国ルーツの子どもの発達支援の重要性を訴えた。
5. 外国ルーツの子どもの発達支援に関するセミナーの開催
「日本語教育と特別支援教育をつなぐ会」2022年4月~現在。外国ルーツの子どもに関わる教員や日本語指導者のための実践的交流セミナーとして、この分野の専門家を招き隔月で開催。当NPOの「居場所」支援や「鷺宮グローバルネットワーク」事業の紹介も積極的に行ってきた。

活動日数 312日

支援対象者実人数 242人

支援対象者延べ人数 951人

参加ボランティア実人数 44人

参加ボランティア延べ人数 777人

本助成金による活動の成果
1. 鷺宮地域「居場所」における外国ルーツの子ども・保護者の学習支援・子育て支援
・利用者:①チラシ配布や掲示、Webサイト等での広報により利用者数は着実に増加。②会場では子ども同士・保護者同士が親密に関わりあい、安心できる「居場所」として機能していることがうかがわれる。
・支援者(スタッフ・ボランティア):①見学申込みが途切れることなく続き、多くがボランティア登録へとつながった。②活動後の「振り返り」により各支援者の力量が着実に向上して、主体的かつ適切に支援を行えるようになってきた。
・他機関:①小中学校:訪問や電話により情報交換し連携を深めた。②中野区施設:子ども若者支援センター、すこやか福祉センター、鷺宮図書館等と連携。スタッフ間の連携にとどまらず、利用者に対し複数の施設機関が関わることで、より幅広く丁寧な支援が可能となった。③区外諸機関:東京都つながり創生財団、新宿未来創生財団等と連携。NHK、日本経済新聞社等の取材を受けた。
2. 外国ルーツの子ども・保護者の「個別の発達支援」
・子どもの発達状況に沿った継続的支援:当NPOや外部機関の専門家らが、全般的な認知や情緒の発達、行動上の問題など多角的な観点から見立てを行い、継続して支援を行った。
・支援の質の向上:専門家同士で協力しながら教材や指導法を工夫し、文献研究や研修による研鑽に努めた。
3. “学校-家庭-HATI JAPAN”3者をつなぐ「連絡帳」づくり
・各小中学校から好意的な反応を得て企画を開始することができた。今後、学校連携の基盤になっていくことが期待できる。
・外国ルーツの保護者は子どもの発達への意識や理解が薄い場合もあるが、子どもの様子を伝えることを契機に子どもへ目を向けていく姿が見られる。
4. 地域支援ネットワーク「鷺宮グローバルネットワーク」の構築
・定例連絡会では中野社協・ANIC・当NPOが活動状況を報告し、地域の子ども保護者のためという目的を共有して、連携を深めた。
・「一周年報告会」には地域の団体だけでなく民生児童委員や自治会など多くの人々が参加し、繋がりを深めた。また、地域の人々の率直な意見を聞き、今後の方向性を検討する手がかりを得た。
5. 外国ルーツの子どもの発達支援に関するセミナーの開催
日本語教育・特別支援教育に携わる指導者らが集い、外国ルーツの子どもの発達的理解と支援に関する知見を深めて、ネットワークを構築することができた。現在「つなぐ会」の登録者数は300名余となっている。さらに、「つなぐ会」を契機に興味関心を抱いた視聴者らが「居場所」を訪れ、当NPO会員やボランティアの登録へとつながった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1. 鷺宮地域「居場所」における外国ルーツの子ども・保護者の学習支援・子育て支援
・事業拡大への対応:利用者数は確実に増加しニーズも幅広くなると予想され、支援体制を整える必要がある。①スタッフ・ボランティアの人員増②業務分担の明確化と組織化③教材・書籍等の拡充。
・通訳者:これまでは“やさしい日本語”を中心に行ってきたが、子ども・保護者の理解を深め支援の質を高めるため、母語での対応にも力を入れていきたい。
2. 外国ルーツの子ども・保護者の「個別の発達支援」
・利用者増に向けた課題:最も専門性が高く子ども・保護者にとって得るところの多い支援でありながら、利用が伸び悩んでおり、より多くの人々へ周知する必要がある。ただし同時に、外国ルーツの人々に利用料を求めることは困難で、財源確保が必要である。
・知見の共有:支援の中で得られた知見は、広く外国ルーツの子どもの支援に携わる人々にとって貴重な情報でもある。Webサイトや【5】「つなぐ会」を通じて発信していく。
3. “学校-家庭-HATI JAPAN”3者をつなぐ「連絡帳」づくり
・継続の難しさ:子ども達は「居場所」を欠席することがあり、また、日本語の読み書きが不得手な保護者は文字情報でのやりとりが難しい。学校の先生方は多忙で、「連絡帳」を読みコメントを書くよう求めることにも難しさがある。
・「サポートブック」の検討:発達障害支援の現場では、受診歴や支援計画等をファイルする「サポートブック」が活用されている。外国ルーツの子どもでも、生育歴や教育歴、家族の状況等の資料は支援の有効な情報源となるので、「サポートブック」活用を検討していく。
4. 地域支援ネットワーク「鷺宮グローバルネットワーク」の構築
・具体的な目標設定:「一周年報告会」や広報を通じ地域の理解が得られ、具体的な目標を示す段階に来たと言える。今後も中野社協・ANIC・当NPOの3者で緊密に連携しつつ、参加諸団体・施設と検討を重ねていく。
・民間団体の参加:これまでは中野区や外郭団体を中心に進めてきたので、今後は民間団体の参加を積極的に募る。
5. 外国ルーツの子どもの発達支援に関するセミナーの開催
・実践的な議論:「外国ルーツの子どもの“ことば”と“発達”の理解」については、これまでに知見が共有され一定のコンセンサスが形成されたと言える。今後は「どう現場で活かすか」という実践的な議論を進めていく。
・視聴者層とテーマの拡大:現在、視聴者は現場担当者レベルが大半を占めている。管理者層や行政担当者、一般市民等、より広い層への知識普及に努めていく。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://hatijapan.or.jp/saginomiya/
https://www.facebook.com/HatiJapan



寄付してくれた人へのメッセージ
私たちは、東京都中野区鷺宮地域で、外国ルーツの子どもと保護者の「居場所」を運営し、学習支援と子育て支援を行っています。「居場所」には様々な国や地域、年齢の子どもと保護者が集っています。子どもたちはそれぞれ、言語、文化、発達特性など多様な背景を持っており、必要とされる支援もまた多様です。皆様からお預かりした寄付金は、書籍、教材、玩具、運動用具として子どもたちの学習支援や、保護者と子どもが共に楽しむ集団活動に役立ち、子どもたちの健全な発達や親子の結びつきを育てる基盤となっています。皆様のお志に支えられ、「居場所」の子どもと家族が笑顔と歓声に満ちた時間を過ごせていることに、深く感謝いたします。また、皆様の温かいお気持ちによって私たち自身も勇気づけられ、こうして活動を継続できていることに、心からお礼を申し上げます。皆様、本当にありがとうございます。

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