公的支援にアクセスしにくい難民・移民のための伴走支援事業

団体名 特定非営利活動法人CWS Japan

都道府県 東京都

助成額 411,137円

活動開始日 2022/10/1

活動終了日 2023/9/30

助成金で行った活動の概要
本助成事業では、様々な事情(日本語能力不足、不安定な在留資格、高齢化、心身の病気、ひとり親家庭)を抱えていることから、就労が制限される外国ルーツの人々(難民申請者や移民)を支援対象者とした。これらの人々は、生活困窮に陥ってはいても、不安定な身分によって、公的サービスにアクセスしにくく、地域コミュニティから孤立しがちで見えにくい存在であることが共通している。
そこで、上記の対象者に対して、前年に続き、パートナー団体との連携により、対象地域内の教会を会場にして外国人相談会を共催した。事後フォローアップとして、継続支援が必要な相談者については、オンラインミーティングや家庭訪問を通して、助言・情報提供・他団体との調整・各種同行支援・生活物資提供を含む緊急支援等のケースワークを継続的に行った。
これまでの相談会開催経験から、人員・会場確保など運営側の都合で日時・会場が決められることから集客が難しく、そのイベント性に課題があることを学び、それ以降は、他の支援団体・支援者・外国人コミュニティから協力を得ながら対象者の特定とアウトリーチ支援を行っていくことで、随時、相談を受け付け、ケースワークを進める方法をとるようにした。相談会運営の課題については、下記の「課題と取り組み」でも言及する。
そのアウトリーチ支援の一環として、過去に要支援者(相談者)だった外国人財をコーディネーターとして採用し、同国人コミュニティに対して、相談事業に関する情報発信・受付・同行支援を開始した。また、同様に、相談者への生活物資提供において、対象地域内の外国人店主と連携することで、信頼関係を構築し、情報提供・相談者の特定・相談者の見守りにおける地域内の協力体制構築に努めた。
また、相談会に代わって、難民・移民への理解を深めるための日本人との交流、彼(女)らの持つ特技・能力を活かす機会を創り、外国人コミュニティとのネットワーキングを目的とした「ワールドバザール」という対面によるフリーマーケットを同教会で主催した。ワールドバザールでは、難民・移民当事者による手作り品を販売するにあたり、日本人ボランティアと一緒に出店した。また、同会場で相談コーナーを設け、相談受付と物資配布も行った。この取り組みは本事業終了後も続けられ、地域行事に出店参加したことによって、地域関係者にその認知を広めることに寄与した。

活動日数 172日

支援対象者実人数 51人

支援対象者延べ人数 88人

参加ボランティア実人数 10人

参加ボランティア延べ人数 12人

本助成金による活動の成果
1) 緊急支援+伴走支援というケースマネジメント
相談会開催から得られた教訓により、相談事業にとって、緊急的支援と継続的な見守り伴走支援の両方が必要であることを認識し、その活動方針を定めた。過去の相談会では法律・生活相談・物資配布を行っていたものの、それだけでは、緊急性の高い相談に対応できずにいた。本事業では、団体自己資金を投じて緊急支援を行いながら、継続的な伴走支援を行うことによって、相談者との間に信頼関係を構築し、また、相談者の心身の健康維持と社会参加に繋げるという一連のケースマネジメントのプロセス・手法を試行することができた。
2)要支援者から支援者・協力者へ
上記1)の活動を通して、出会った当初は自身で解決できない問題を抱え、自信を喪失し、委縮していた相談者が支援に繋がることでエンパワーされ、上記のワールドバザールをはじめとするイベント出店者として参加できるようにもなり、また、他の要支援者の通訳・調整役を担うなど、自身の特技・能力を発揮するようになった。その経験を通して、支援される立場から支援者や協力者の役割を果たすようになってきているのは喜ばしい変化である。
3) 地域社会資源との関係性構築
本事業では地産地消的な視点を重視し、地域の教会を支援拠点として、地域内の支援組織(社会福祉協議会、高齢者相談機関、民間支援組織等)、近隣の教会、外国人店主や大学(生)との連携協力関係を構築することができた。これらの関係者とは、日頃から顔が見える関係性があり、要支援者の特定やCWS Japanが主催する各種イベントにも協力を得ている。また、地域内に居住する外国人コーディネーターを採用したことにより、近隣の同国人相談者の特定とフォローアップも行い易くなってきている。
4)地域の人道支援拠点として教会が果たせる役割
CWS Japanの団体ビジョンである地域防災・減災を究極の目標として掲げ、その一環として本事業を位置付けてきた。同時期に他県で発生した緊急災害対応によって、外国ルーツの脆弱層は災害弱者であり、平時から社会的弱者であるという仮説が証明された。本取り組みでは、平時から地域の教会を支援拠点として活用することで地域からその役割を認知され、ワールドバザールなどの交流イベントを通して外国人要支援者・日本人支援者・地域の支援団体・住民・学生・教会関係者が集い、交流し、協働できる場になりつつある。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
上述したとおり、過去の外国人相談会開催は、そのイベント性により、多くのリソース(ヒト・モノ・金)が必要であることから、運営側の都合によって日時・場所が設定される。困難な生活状況にある外国ルーツの人々にとっては制約が多く、予約システムにも対応できない事情から、運営面でどうしても無駄が多くなりがちである。緊急性の高い困り事を抱える相談者にとっては、相談会開催を待てない状況にある人々も多い。また、行政関連機関が設置する相談窓口に出向くことができる外国ルーツの人々は時間・言語・制度・心理的な制約から一部にとどまり、その相談窓口さえも同行支援が必要である。特に不安定な在留資格の人々は公的支援の対象から外れる。
それらの教訓から、本事業では、相談会を1回開催し、その後は、随時アウトリーチ支援を行うよう切り替え、各ケースに対して継続的に伴走支援を行っていく方法をとった。この方法ではひとつのケースに数か月を要することもあり、ケースマネージャーにとっては大変な労力と時間を要する。しかしながら、それによって、各相談者の生命維持・自己肯定感の向上から心身の安定に繋がり、彼(女)らが要支援者から支援者・協力者の役割を果たせるようになってきたことは大変意義深い。実際に元相談者が現在、外国人コーディネーターとして協力者になっている例もあるので、今後、彼(女)らの活用を拡大していきたい。支援団体として、一人ひとりの特技・能力が発揮できる機会と場づくりを対象地域内で今後も継続的に行っていく。
またさらに、別事業で開始した日本語教師による学習支援を同対象地域で様々な方法(通学・出張形式)で継続していくことで、不安定な在留資格に悩む難民申請者や移民が日本社会に溶け込み、また在留資格取得にも貢献していくことを目指している。
最後に、本事業で試行した地域内の外国人商店主との協力関係も継続する。オーナー側にとって、支援物資を同店舗から調達することだけでなく、従業員が日本語学習支援を無償で受けられることは日本人の顧客増にもつながるメリットもある。またさらに、日本語能力の向上によって、地域内の外国人・日本人住民間の交流不足という課題解決にも貢献できる。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.cwsjapan.org/2022/11/29/akaihane1/
https://www.cwsjapan.org/2023/01/13/sodanforfriends_shinjukutoshimaku/



寄付してくれた人へのメッセージ
CWS Japanでは、新型コロナ感染拡大以降、国内に在住し、様々な事情から生活困窮する外国ルーツの人々に出会い、支援する活動を行ってきました。ニーズを感じながらも資金不足で身動きが取れなかったのですが、思い描いていた活動を試行することができたことから、今後の支援ロードマップもでき、自力でファンドレイジングにも挑戦する予定です。このような貴重な経験を積ませていただけたことに感謝いたします。

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