外国人介護スタッフ応援隊事業

団体名 特定非営利活動法人 介護保険オンブズマン機構大阪

都道府県 大阪府

助成額 710,000円

活動開始日 2022/10/1

活動終了日 2023/9/30

助成金で行った活動の概要
❶「応援隊員」による活動:日本語での対話活動を通して外国人介護スタッフと面談し、日本語のサポートや困りごとの聴き取り及び施設への橋渡しを行う。毎月1回定期的に施設を訪問(オンラインも)、1~1.5時間面談し、毎活動後「活動レポート」を事務局へ提出する。現在11施設(大阪市内4、大阪府4、兵庫県3)で、18名が活動している。
❷応援隊ミーティング(会場・オンライン):全8回開催(10/1・12/3・1/14・2/4・3/4・4/1・6/3/・8/5)。 活動内容などの情報共有や意見交換を実施した。2月4日のミーティングは2022年度に応援隊が外国人スタッフから聴き取った「困りごと」の主な事例について検討・総括、4月1日は新たに活動する2期生7人を交え、オリエンテーションと担当施設の発表・顔合わせを行った。これまでの活動を通して応援隊員には「在留資格」への理解と知識、「外国人スタッフの有用感につながる日本語での対話活動の工夫」がより必要だと感じたため、6月3日は施設関係者を招いて「在留資格」、8月5日は日本語教師を招いて対話活動の工夫や活動に活かせるサイトの情報提供なども行った。
❸第2期外国人介護スタッフ応援隊養成講座:全3日(11/5・11/12・11/19、会場・オンライン)。応援隊員としてボランティアで活動する担い手を育てる講座。介護施設の理解・日本語学習支援・相談援助方法など計10講座を実施。12月~2月に1期応援隊員に同行して受入れ施設での体験実習も行った。
❹企画委員会:全3回(オンライン)、活動の動きを見据え、課題等を検討する会議を開催。メンバーは、日本語教師1名・受入れ施設関係者2名・地域福祉関係者1名・事務局員2名の計6名。受入れ施設や外国人スタッフへのアンケート調査、受入れ施設との懇談会開催等についても同委員会で提案され実施した。
❺応援隊活動案内(パンフレット)の作成・配布:応援隊活動の周知を図るため、活動の趣旨や成果などをコンパクトにまとめたパンフレット(A4・6頁・巻き三つ折)を制作し、大阪の介護施設や日本語教室、関西の国際交流団体や大学など約800か所に配布した。
❻第3期応援隊養成講座募集要項の作成・配布:担い手を継続的に確保していくために作成。日本語教室・国際交流団体・公民館・大学など約200か所に配布した。
❼その他:上記❹での提案をもとに、応援隊受入れ施設や外国人スタッフへのアンケート(2月~3月)、受入れ施設関係者との懇談会(7/14)も実施した。

活動日数 140日

支援対象者実人数 38人

支援対象者延べ人数 195人

参加ボランティア実人数 22人

参加ボランティア延べ人数 173人

本助成金による活動の成果
❶活動を開始して1年半だが、トラブルもなくスムーズに活動を展開。毎回同じ顔ぶれで面談するため、施設関係者・外国人スタッフとも徐々に信頼関係が構築され、打ち解けた雰囲気で話ができるようになってきている。
❷1年半の活動の中で27件の外国人介護スタッフの「困りごと」を吸い上げることができた。そのうち22年10月~23年9月までの対応件数は13件で、その内訳は「日本語」に関すること3件、「仕事」(夜勤対応の不安・人間関係・介護福祉士国家試験など)に関すること8件、「暮らし」(転居・諸手続きなど)2件であった。
❸「困りごと」へのケース対応について、「仕事」に関する事例では、応援隊が代弁者になることによって施設の対応に善処が見られるケースも少なくない。また、資格取得(日本語能力・介護福祉士など)に欠かせない日本語を「よりわかるようになりたい」というニーズが前年度に引き続き強いことから、それぞれのレベルに合わせた教材を準備し利用する機会が増えた。そのほか、高齢者や同僚との会話や報告書の中で必要な敬語について学びたいという要望や、マイナンバーカード申請時の役所でのやり取りの難しさ、カード決済の不備、引越しの保証人に関するトラブルなど、暮らしとかかわる事例も出てくるようになった。
❹22年2月に実施した受入れ施設(22年4月~23年3月は8施設)のアンケート結果(回答率100%)では、8施設中7施設が「よかった」と回答。「同僚以外に、外国人スタッフを(精神的に)支えてくれる人ができた」「表情が明るくなった」(各2施設)、「外国人スタッフにとって、相談できる窓口が増えた」(1施設)と高評価を得た。また外国人スタッフへのアンケートでも、13人中12人が応援隊と会うのが「とても楽しい」「楽しい」と回答。「たくさん日本語で話せる」(3人)、「あまり日本語が話せなくても聞いてくれる。優しい日本語で話してくれるから安心して話せる」などの回答があった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
❶支援する外国人スタッフに「特定技能」の在留資格者が増えている。中には日本語レベルがN4・N5の人もいて、そうした人たちに対しては、困りごとの聴き取りよりも、まずは日本語力をつけることが求められる。そのため応援隊にも日本語学習について、より具体的な提案力と実行力をもつ必要がある。
❷外国人スタッフとの面談時間は、勤務時間中であることが多いが、周りの日本人スタッフに遠慮して応援隊との面談をキャンセルたりすることもある。現場の人手不足が影響していると思われるが、月1回1時間程度の面談なのだから、応援隊活動の周知と理解を日本人スタッフにも促してもらうよう受入れ施設に強く働きかけていきたい。
❸人手不足が続く中、夜勤への対応に不安を抱えたり、腰痛等があってもサポートが不十分だったり、説明が不足していたり…といったケースも散見され、介護業界が非常に厳しい状況であることがわかる。しかし、応援隊だけでなく他の市民団体やボランティアも巻き込みながら、外国人スタッフを細やかにサポートしていくことが、人材の定着となり、介護の質向上にもつながっていくのだということを、施設はもちろんのこと社会にも伝え続けていく必要がある。
❹応援隊活動は地元・大阪においても、まだまだ知られていない。施設の理解も広がっていない。施設の中には「日本語学習の時間を設けている」「監理団体や登録支援機関が相談対応を行っている」といったところもあるが、上下関係・利害関係のないボランティアの市民が関わることで、新たなセーフティネットとなりうることを、9月に完成したパンフレット等も活用しながら積極的に訴えていきたい。
❺大阪では、外国人スタッフ受入れ施設がどれくらいあるのか、どんな在留資格の人たちが働いているのか、どのような支援体制があるのか、把握が難しい状況であるため、アンケート調査を行うことで実像に迫っていきたい。また、アンケート結果をまとめて発信していくことで介護施設及び社会に、課題や必要な支援体制を訴えていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://o-netnpo.site/
https://www.facebook.com/kaigobridge



寄付してくれた人へのメッセージ
いつも温かいご支援をいただき、ありがとうございます。介護施設で働く外国人スタッフを支援するための事業『外国人介護スタッフ応援隊』は2023年4月に2年目の活動をスタートさせました。応援隊員と外国人スタッフで行う面談では、お互いの信頼度が増し、雑談の中から暮らしにかかわる困りごともを引き出せるようになってきました。新しいメンバー(2期生)を加えた活動も半年が経った今では、日本語での会話が弾んでいます。外国人介護スタッフの方々にとって、ひとときのリラックスタイムとなり、晴れやかな顔でまた職場に戻れるよう今後も支援を続けていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします!

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