都道府県 宮城県
助成額 438,463円
活動開始日 2021/10/14
活動終了日 2022/9/30
助成金で行った活動の概要
①食糧支援事業
国籍や宗教などに関わらず、また食べられない食品(アレルギーや宗教上の理由から)や、滞納のために利用できないライフライン、調理器具などに柔軟に対応し、迅速な食糧支援を行った。また、地域の外国人協会へ食糧を寄付したほか、外国の方も対象に含めたフードパントリーも開催した。
②生活相談事業
食糧支援依頼の際に記入してもらっているアンケートから、特に必要な方や、希望があった方に対し、電話や対面での生活相談を行い、食糧支援だけではない生活改善のサポートを行った。
③実態調査事業
Googleフォームで、37問に渡るアンケート調査(選択式30問、記述式7問)を作成し、これまで食糧支援依頼があった方に送付した。より正確で詳細な回答を得るため、やさしい日本語の他、英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語、ネパール語に翻訳した。
また、より詳細に生活状況や直面する困難を把握するため、生活相談のために電話や対面で話を伺う際にもアンケート調査に協力してもらっている。
これらの実態調査から得た成果は、報告書にまとめて発信する予定である。日本における外国人が直面する状況について多くの人に知ってもらい、法制度の改正などに繋げていきたい。また、報告書も数か国語に翻訳し、発信することで、外国人問題に取り組む国内外の支援団体や研究者等と問題意識を共有し、連携を図っていく。
活動日数 140日
支援対象者実人数 501人
支援対象者延べ人数 910人
参加ボランティア実人数 82人
参加ボランティア延べ人数 1820人
本助成金による活動の成果
①食糧支援事業
昨年2021年10月から今年2022年9月末までに、外国人延376(※)世帯(延910名)へ食糧支援を行った。支援人数の実数は213世帯(501名)になる。食糧支援量は、延910名へ、1万9,110食を無償で支援をおこなった。(※世帯にはルームシェア、1人暮らし含む。以下、同様)
また、新たな取り組みとして、地域の個人加盟ユニオンと協力し、労働争議中の技能実習生への食糧支援も行った。会社を不当に解雇され、収入を失い、同時に在留資格まで失いかけている技能実習生たちの闘いは、日本における外国人の権利を向上させる上で非常に意義がある。彼ら・彼女らの争議を食料の面から支えることは、フードバンクが外国人支援をする上で重要な取り組みだろう。
②生活相談事業
特に生活に困窮している方には、社会福祉協議会の新型コロナウイルス感染症に伴う生活福祉資金(緊急小口資金、総合支援資金)や、住居確保給付金等の制度の紹介をした。日本語に不慣れな方に対しては、申請書の記入や必要書類の準備等まで、スタッフが対面で会い、行政機関等に同行するなどしてサポートした。また、解雇や休業補償未払い、賃金未払いなどが困窮の背景にあるケースについては、労働法や制度を説明し、地域の個人加盟ユニオンなどを紹介した。
③実態調査事業
食糧支援申請の際のアンケートで在留資格を答えた269世帯のうち、留学生と回答したのが241世帯にのぼり、フードバンク仙台を利用した外国人の多くが留学生として滞在していることがわかった。ほとんどが東アジア・東南アジアから来日している。
また、各国語に翻訳した詳細なアンケート調査を利用者にメールで送付し、24世帯からの回答を得た。うち22世帯は留学生である。特徴的な事項を上げると、18世帯人中17世帯が、給与収入が月10万に満たないと回答した。今のアルバイトの給与では足りないと回答したのは17世帯中16世帯、さらに留学生ができる最大限の時間(28時間)働いても足りないと回答したのは15世帯中9世帯であった。また、20世帯中13世帯は来日費用に100万以上かかったと回答した。お金は、親・親族が払ってくれたという回答が最多の8世帯であったが、次に多いのは消費者金融などに借りたという5世帯だった。また、100万以上の額となれば、親族が借金をして調達した可能性もある。来日費用が高く、借金になってしまうことが外国人の方々にいっそう苦しい生活や過酷な就労を強いていると考えられる。
さらに、多くの人が学費・借金の返済・家賃が負担だと回答しており、20世帯中14世帯は複数人でルームシェアをしていた。
このように、食糧支援だけでは解決できない困窮の状態が明らかになった。現在、これらの実態調査の結果をまとめた報告書を作成している。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今後の課題としては、まず外国人の人々により活動を周知することが必要だ。外国人は、日本語が堪能でない場合、日本語で周知される制度や支援へアクセスすることへのハードルが高い。支援団体側から、積極的に相談を呼び込むアウトリーチの姿勢を強化する必要がある。
また、生活するのに十分な社会保障がないことも問題だ。留学生であれば、学業のためアルバイトに多くの時間を割くことは難しい上、週28時間の上限もあるため、コロナウイルスの蔓延が収まったとしても、就労のみによって困窮を解決することはできない。しかし、利用できる行政の支援(緊急小口資金、総合支援資金、住居確保給付金等)はすべて一時的なものでしかない。背景には、そもそも日本には生活保護以外の社会保障制度が脆弱であり、かつ外国人は生活保護を利用する権利から排除されていることがある。生活相談をしたとしても、公的な支援が不足しているために、根本的な生活状況の改善を図ることが難しいのだ。
フードバンク仙台では、調査活動等の結果をもとに、さまざまな政策提言や要求を行ってきた。例えば現在は、コロナ禍や物価上昇を背景に、仙台市にライフラインの減免と無償化を要求する署名を行っている。このようなベーシック・サービスに、国籍や在留資格の壁を設けずに外国人も包摂していくことが解決策の一つになるだろう。
同時に、来日費用や借金の問題もより明らかにしていきたい。アジアからの留学生の多くが多額の借金を背負っているが、その背景には仲介業者の存在や日本語学校の学費の高さがあると言われている。彼ら・彼女らが借金を背負っていれば、職場などで不当な扱いを受けたとしても、声を上げたり、権利を主張したりしづらくなり、ますます弱い立場に置かれてしまうだろう。
労働人口の減少と共にエッセンシャルかつ低賃金な仕事を外国人が担う状況は、仙台・宮城のような地方ではいっそう深刻である。このような状況下では、地域の雇用が劣悪な条件のまま維持されてしまう。その上外国人が権利として認められる社会保障は脆弱であり、さらに留学生であれば高い費用を支払わなければならない。このように、外国人の生活や権利を保障し、共生していくことは、地域づくりの観点からも重要である。
引き続き、外国にルーツがある方にも積極的な食糧支援・生活相談を行い、また調査活動を通して彼ら・彼女らと共生できる地域づくりに貢献していきたい。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://foodbanksendai.com/
https://www.facebook.com/foodbanksendai/
寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付いただき誠に有難う御座いました。当団体では、この度、赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン『外国にルーツがある人々への支援活動応援助成』に、『コロナの影響により生活困窮している外国人・留学生個人への無償食糧支援と生活相談支援と実態調査』という活動に対して助成いただきました。助成期間の2021年10月~2022年9月末までの間に、延376世帯、延910名の生活困窮している外国人・留学生へ1万9,110食を無償で支援をおこなう事ができました。今回の調査で、外国人・留学生の多くは100万円以上の借金をして日本に来ていることや、生活するのに十分な社会保障がなく、学業のためアルバイトに多くの時間を割くことは難しい上、週28時間の上限もあるため、コロナウイルスの蔓延が収まったとしても、就労のみによって困窮を解決することが難しい状況にあることも分かりました。また、利用できる行政の支援(緊急小口資金、総合支援資金、住居確保給付金等)はすべて一時的なものでしかなく、背景には、そもそも日本には生活保護以外の社会保障制度が脆弱であり、かつ外国人は生活保護を利用する権利から排除されていることが困窮の背景があることも分かりました。そうした状況にある外国人・留学生へ、命を守る食を支援し、様々な支援や権利擁護へ繋ぐ生活相談を行えたことを、改めて深く感謝申し上げます。
まだまだ支援を必要としている方々は沢山いますので、引き続きご支援のほど宜しくお願い申し上げます。