中野区鷺宮地域に外国ルーツの人や子ども、保護者のための「居場所」を作る事業

団体名 NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援

都道府県 東京都

助成額 696,639円

活動開始日 2021/10/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
【1】「居場所」づくりの基盤整備:助成対象期間の前半(2021.10~2022.3)は、地域の支援団体のイベントや「外国ルーツの子どもの居場所を作ろう」会議(計4回)に参加してネットワークを構築し、鷺宮西住宅で「居場所」プレオープンを開催した(2022.3.19)。【2】鷺宮地域「居場所」2か所で学習支援スタート:上記【1】の成果を踏まえ、助成対象期間の後半(2022.4~)には、鷺宮西住宅集会所で「げつよう②④ひろば」(毎月第2・4月曜日)、イチイ・プラスライフ鷺宮地域センターで「ぷらすひろば」(毎月第1・3土曜日)がスタート。外国ルーツの子どもと保護者への継続的な支援を行ってきた。子どもの学習支援では、個々の学習進度に合わせた個別学習や集団活動を行い、保護者には、子どもへの関わり方に関する助言や、日本語の書類作成のサポート等を行っている。また、毎回「居場所」終了後にはNPOスタッフによる振り返りを行い、子どもの発達状況の理解や今後の支援方針を共有して、支援の質の向上をはかっている。【3】外国ルーツの人々と地域住民の交流を促進するためのワークショップ開催(2022.9.3):鷺宮西住宅自治会・防災会や地域活動団体、民間企業と協力して「やさしい日本語で地域の外国人と話そう~災害時でも日本人と外国人が安心できる居場所をつくる~」を開催した。【4】外国ルーツの子どもと保護者を対象とした個別の発達相談・学習支援:NPO設立当初から中心に据えている活動であり、本助成対象期間中も継続して支援を行っている。保護者から申込みのあったケースに関して、個々の子どもの発達状況に適したプランを立てて個別の学習支援を行っている。また、保護者と共に子どもへの関わり方や学校連携、将来の進路等について話し合い、助言を行っている。

活動日数 220日

支援対象者実人数 269人

支援対象者延べ人数 730人

参加ボランティア実人数 37人

参加ボランティア延べ人数 456人

本助成金による活動の成果
【1】「居場所」づくり基盤整備の中では、社会貢献活動に携わる地域団体やボランティアの協力のもとで、イベントや会議に参加することができ、ネットワークが構築されていった。イベントの中では、地域の人々への直接的な支援が行われただけでなく、“鷺宮をより住みやすい地域にしていこう”という呼びかけが発信され、それにより“鷺宮地域に「居場所」を作ろう”という機運が高まって、2021年3月の「居場所」プレオープン実現に至った。【2】鷺宮地域の「居場所」2か所でスタートした学習支援については、4月当初の2回は利用者がなかったものの、チラシの配布や掲示、Webでの広報を行うことによって徐々に地域で知られるようになり、参加数は着実に増加してきた。最近は、外国ルーツの子どもと保護者を合わせて平均で10名からそれ以上の参加が続いている。活動を繰り返す中で運営方法にも工夫を重ね、よりスムーズで充実した学習支援が行えるようになってきている。子どもだけでなく保護者同士も交流を深めている姿があり、安心できる「居場所」として機能し始めていることがうかがわれる。また、子どもたちの在籍する学校との連携もスタートした。【3】地域住民向けワークショップ「やさしい日本語で地域の外国人と話そう~災害時でも日本人と外国人が安心できる居場所をつくる~」(2022.9.3)には、外国ルーツの人々22名を含む地域住民38名が参加。事後アンケートでも回答者9割以上から肯定的評価を得、「今後は住民同士の交流を深め、自治会や防災活動に参加していきたい」という感想が多数寄せられた。【4】個別の発達相談・学習支援においては、発達の専門家がそれぞれの子どもの詳しい発達理解に基づいて学習支援や発達相談を行うことにより、集団活動では困難な、きめ細かな支援を継続的に提供している。また、日本語能力だけでなく、全般的な認知発達や情緒発達、社会性や行動上の問題など、複合的な課題のある子どもとその保護者に対する支援も行っている。保護者の依頼により学校を訪問し、学級担任や管理職と共に子どもの進路について検討を行ったケースもあった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
【1】「鷺宮グローバルネットワーク」を目指したネットワーク再構築:2021年度当初は地域支援に関わる団体も多く集まっていたが、それぞれの活動状況や目的の違いにより、徐々に参加数が絞り込まれていった。2022年4月以降は学習支援がスタートし「居場所」の具体的な姿が明確になってきたので、あらためて情報を発信し、ネットワークを構築していきたい。地域の諸団体を結び地域住民に役立つ情報を発信する「鷺宮グローバルネットワーク」の構築は本事業の大きな目標であり、引き続き積極的に取り組んでいく。【2】学習支援の安定した運営と質的向上:今後定期的に「居場所」で学習支援を行っていく中で、利用者数は確実に増加し、子どもの特性(年齢、言語・文化的背景、発達特性等)も幅広くなっていくと予想される。教材、書籍等の物的資源はもちろんのこと、当NPOのスタッフ、市民ボランティアら人的資源についても、人数だけでなく知識とスキルを向上させ、支援の質を高めていく必要がある。特に、ボランティアのみに頼る運営では質の高い支援を安定して行っていくことは難しいので、専任スタッフの存在は重要と考えられる。継続的に活動に参加し、子どもと保護者ひとりひとりの状況を熟知して、支援方法を詳細に検討できる力を持ったスタッフを置けるよう、NPOとして取り組んでいく。【3】地域交流イベントの効果と重要性:今回、外国ルーツの人々と地域住民の交流のためのワークショップを開催するにあたって、鷺宮地域の自治会・防災会と連携する中で聞かれたのは、外国ルーツの人々との意思疎通の難しさであった。近年、鷺宮地域でも少子高齢化が進み、地域のつながりは薄くなる一方だが、子育て世代の外国ルーツの人々は増加している。「居場所」を中心として、外国ルーツの家族が参加でき地域全体で楽しめるようなイベントを開催していくことにより、地域のつながり作りに貢献できる可能性がある。当NPOとしても取り組んでいきたい。【4】個別の発達相談・学習支援は多くの人的・物的資源を必要とするが、その中で得られる知見は当NPOの全ての活動の基礎であり、社会的意義も大きい。個別の発達相談・学習支援には今後も引き続き注力し、その成果を広く発信していく。また、保護者の了解を得ながら、子どもの在籍する学校との連携を進め、外国ルーツの子どもの支援・教育に貢献していく。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://hatijapan.or.jp/saginomiya/
https://twitter.com/hatijapan/



寄付してくれた人へのメッセージ
東京都中野区鷺宮で、私たちは外国ルーツの子どもと保護者のための居場所として2つの「ひろば」を運営し、学習支援を行っています。「ひろば」には、様々な国や地域、年齢の子どもと保護者が集い、楽しみながら学習や集団活動に取り組んでいます。それぞれの子どもは、言語、文化、発達特性など多様な背景を持っており、必要な支援は一人ひとり異なります。このたび皆様からお預かりした寄付金のおかげで絵本や教科書などの書籍、さんすうセットやひらがなカードなどの教材を拡充することができ、子どもたちが抱える学習上の困難にアプローチする手段が大幅に広がりました。皆様のお志に支えられ「ひろば」の子どもたちの成長と家族の居場所づくりに貢献できることに、深く感謝いたします。また、皆様の温かいお気持ちによって私たち自身も勇気づけられ、こうして活動を継続できていることに、心からお礼を申し上げます。ありがとうございます!