都道府県 茨城県
助成額 674,923円
活動開始日 2021/10/1
活動終了日 2022/9/30
助成金で行った活動の概要
・2021年10月に、中国から来た生徒の高校受検手続き支援の相談をうけ、同じころ、他県から茨城に引っ越した際に、全日制高校に編入学できず通信制のレポート学習で困難を抱えているバングラディッシュの学生の支援を以前支援していた団体から依頼されました。本人、家族と連絡をとり中国の生徒は外国人特例選抜の手続き支援をしましたが、受検時に中国から戻れず受検できませんでした。通信制の生徒は教員と何度も協議し、レポート作成の指導をし、時間はかかっても卒業しようと親子に働きかけ今も続いています。
・2022年4月からは、高校に入学した外国籍生徒や入学希望者の相談対応が増えました。中学校まで母国で学び高校に入るために来日する生徒がこの半年で急激に増えている。そうした生徒は16歳以上のことが多く、日本の中学校に入れないことが多いため、受検の手続きについて学校の支援が得られません。日本語学校に入ることも難しいです。そこで、そうした生徒向けにオンラインで日本語や教科指導を行っている東京のyscグローバルスクールと連携し、日本語指導はオンラインで受け、当会は週1回対面での日本語の指導を行ったり、受検手続き支援を行うことが増えています。
7月から毎週土曜の午後に対面での指導を行っています。自宅に一人でいて高校を目指す人と既に高校に通う外国籍生徒の交流の場を夏のテーマにしました。当会は、シェアハウスに隣接する製麺工場の跡地を多目的室に改修する工事を半年かけて実施しました。
8月には完成した多目的室やえんがわカフェを主な舞台にして、計5日間の交流企画を実施できました。自己紹介、ピザ釜づくり、保育園児との交流、スポーツ、シャッター壁画、オリジナルTシャツづくりなど、生徒の希望を踏まえた活動で異年齢、多国籍の生徒が10名以上友達になることができました。
17歳前後で来日した人の相談にも個別に応じました。日本の成人年齢引き下げにより、在留資格を取得するのが困難なケースが多く、情報収集にかなり注力しました。その情報を高校教員などに伝える活動も行いました。隣接する下妻市でも連携団体が、就学前のプレスクールや、健康、学習、在留資格など幅広い相談支援や交流活動を展開し、活動が面的に拡大してきました。
活動日数 300日
支援対象者実人数 50人
支援対象者延べ人数 400人
参加ボランティア実人数 10人
参加ボランティア延べ人数 100人
本助成金による活動の成果
・赤い羽根福祉基金などの支援で2021年に、製麺工場の敷地にある店舗兼住宅が「ぽかぽかホーム」というシェアハウスになりました。これは当会が運営する3つ目のシェアハウスです。どこにも行き場がない人の住まいづくりを進めてきましたが、何等かの困難に直面している人が人生をやり直すには、だれかと関わり、何かをすることができる場も必要です。そのための場として多目的室を整備することができました。
・この場を最も利用しているのは、7月に常総に避難してきたウクライナの方で、彼女は当会が運営する別のシェアハウスに住みながら、日本語を学び当会の交流企画にも積極的に参加しました。母国で歌手をしていたこともあり、歌やピアノの練習場所が提供できました。彼女は最近各地のミニコンサートで活躍しています。
・16,7歳で来日した人の高校就学に関するニーズが急に増えていますが、他団体と連携したことで、日本語指導はそちらにゆだね、当会は高校生と高校進学を希望をしている人との出会いと交流の機会づくりにエネルギーを費やしました。外国籍の生徒の話をきくと、部活に入っていない生徒も多く、交友関係も限られています。そこで夏休みに多様な活動を通して、自ら発案して活動をつくる楽しさを感じられるようにしました。ピザ釜も完成し、流しそうめんもできました。在留資格や成績で課題があり学校で寂しい思いをしている生徒も交流企画では大いに活躍しました。スポーツ、調理、壁画など多様な活動を通じて、協力したり思いを形にする楽しさを感じることもでき、高校進学希望者にとってもよい刺激になしました。
・この多目的室とえんがわカフェは外国籍生徒の居場所になってきており、そこに誘われてくる人の中には、家庭的な課題を抱えている人もいました。学校や警察とも情報交換しながら高校生活の継続のための支援も数件行いました。
・これまで関わりが多かった日系ブラジル人とは異なり、スリランカ、パキスタン、アフガニスタン、ネパール、バングラディッシュなどの子の場合は、短期や家族滞在、非正規滞在などもあり、どうすれば安定している定住などに変えられるのか、という相談が相次ました。入管制度について多く学び、専門家とも繋がり一定の相談スキルを習得できたのは成果でした。当初、父の考えで中学に行かせてもらえないパキスタンの女子を想定して学びの場を作りましたが春に引っ越してしまいました。けれど引っ越し先の他県の支援団体とつながることができました。こうした子女の教育権保障にも引き続き取り組みます。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
ブラジルやフィリピンなど定住や永住の人は在留資格で困ることは少ないですが、近年持ち家志向が強まり、無理なローンを組んで家を購入し返済に苦しむケースが相次いでいます。子の教育や住宅取得に関するマネー教育や事故や老後に備えた保険の重要性を伝えることが急務です。中高生には、日本語を話すだけでなく読み書き力と母語力を伸ばすこと、そのための目標としての資格の情報や先輩や社会人との交流で視野を広げることが必要だと感じます。休みの日に多目的室でのイベントはその機会づくりでもあります。
スリランカ、パキスタンなどは15~17歳で母国から呼び寄せられることが多く、日本語力、在留資格、受検の手続きで誰かが支援する必要があります。高校に入れても学習についていけず退学するケースもおきています。親が就労系の資格で子が家族滞在の資格の場合、高校卒業がより重要になりますので、さまざまな国の人にピアサポータとして通訳で協力してもらいながら学べる環境を作っていきます。アパートや家を出なければならない人からの相談は毎週のにようにあり、すぐに住める場の必要性を感じます。当会のシェアハウスはほぼ満室なので、7棟目となる空き家の改修に取り組みます。
・ぽかぽかホームに最初に入居したナイジェリアの方は牛久の入管収容所に5年も収容され、3月に就労不可の特定活動という資格で退所できましたが、行くところがなく受け入れました。生活保護申請も却下され、この人からは家賃は徴収しませんが、それができるのはこのハウスは寄付で作っているからです。月2万円ほどの医療費も寄付で支えています。就労か生活保護のいずれかが認められるようにしなければ、このような人や仮放免の人は生きていくのが困難です。入管や厚生労働省の対応を変える運動にも取り組みます。ウクライナから避難した方が支援を受けているように、他の国から逃れてきた人が難民として認められるようにしていく必要性も感じます。入管制度や対象を限定している福祉制度によって起きている人権侵害をとめるための運動をどうしていくかが大きな課題です。地域で暮らしている外国籍の方がどのような課題に直面しているか、当事者の方々と地域の方がつながれる機会を作っていきたいと思います。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://www.npocommons.org
寄付してくれた人へのメッセージ
共同募金を通じた皆さんのご支援でぽかぽかホームができ、今回の助成で多国籍、多世代の人がともに活動できる多目的室が実現しました。ホームができたことで、事故に遭ったり、長く自宅や収容施設にいて、すぐ働けない人の住居と人とのつながりを提供できました。先日も隣の部屋の人が気づいたことで救急車を呼べました。入管の収容施設を出た人は仕事もできず生活保護も受けられません。日本で今後社会に旅立つ外国籍の若者を支えるには、学校や高校に行けるようにすることと、家でも学校でもない地域の居場所が必要です。皆さんのご支援のもと、この場に集った7カ国くらいの多世代の人が料理、DIY、壁画、スポーツなどで交流することが実現できました。仲間と出会い夢を膨らませることができれば、今、言葉や在留資格にハンディがある人でも、自分の新たな人生を踏み出すことができます。この場に集う人の人生がより豊かになるよう取り組んでいきます。今後も応援よろしくお願いします。