外国につながりをもつ子どものための居場所づくりとオンラインによる日本語・教科学習支援事業

団体名 (公益財団法人)京都府国際センター

都道府県 京都府

助成額 17,397円

活動開始日 2021/10/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
1.外国につながりをもつ子どものためのオンラインによる日本語・教科学習支援
<受講者>中1,中2,中3,16歳(高校受験を目指すダイレクトの子ども)、高1、高2、高3
<内容>生徒の在籍する学校、講師宅をつなぎオンラインを使った1対1の日本語・教科学習支援。1人週1回、1時間、無料。日本語教師の資格と教員免許のある支援者が、専門性の高い支援を行うとともに、学校にも外国ルーツの生徒への支援・指導方法について専門家の助言、情報提供を行った。ダイレクトの子どもについては、オンラインの日本語支援の他に、高校についての情報収集や通訳・翻訳支援、高校見学の同行等の直接支援、他の学習支援団体等との連携のためのハブ機能を担った。(日本語・教科学習支援のNPO、地域のボランティア日本語教室、受検高校、受検高校を管轄する教委等と連携)

2.外国につながりをもつ子どものための居場所づくり支援
外国につながりをもつ子ども(・大人)が学び、地域住民とも交流できる場の創出のための支援
●小学生、中学生への学習支援活動の支援@UR団地集会所
「地域のボランティアや大学生による日本語の学習支援や進路に関する情報提供など。月2~3回、1回2時間、参加費無料」の活動を支援。消耗品や学習教材の経費負担、情報収集、支援者のための研修会実施、支援者募集等

●居場所づくりの活動立ち上げ支援
支援者向けの研修会の実施、立ち上げに向けて他地域の活動事例について情報提供、親子の交流会の実施に向けた助言。経費負担(交流会の会場費)。

3.支援者のためのスキルアップ研修会
●外国にルーツをもつ子どものための学習支援教室を開催している団体と企画段階から協働で実施。子どもの言語・文化背景についての理解促進、子どもへの日本語学習支援、居場所づくりのノウハウ等
●高校教員からの要望に応じて、教員向けに「外国につながりをもつ高校生への指導・支援 他府県の事例紹介と特別の教育課程導入に向けて」をテーマに研修会を実施し、教員同士の交流の場を提供。

活動日数 108日

支援対象者実人数 18人

支援対象者延べ人数 160人

参加ボランティア実人数 75人

参加ボランティア延べ人数 246人

本助成金による活動の成果
●外国につながりをもつ子どものためのオンラインによる日本語・教科学習支援本事業だけでは、十分な支援時間が確保できないため、今年度から、学校に在籍する生徒については、申請者を教育委員会とし、教委、学校とのつながりづくりを強化できた。
・令和5年度から高等学校で導入可能となる特別の教育課程(日本語指導が正規の教育課程として認められる)。導入に向けて少しずつ高校とのつながりを作ってきたが、今年初めて府立高校から日本語指導の依頼があった。生徒の普段の生活や学習の様子等について共有することで、学校には生徒の言語・文化背景や在留資格について理解を深めて頂くことができた。
・中学生については、日本語指導に加え多言語の進路情報についても学校・保護者に情報提供を行い、外国人散在地域では見落とされがちな部分についてフォローをすることができた。
・ダイレクト(来日1,2年で日本の中学校を経由せず高校受験をする)の子どもについて、様々な団体と連携しながら支援を行い、無事第一希望の高校に合格、進学することができた。

●外国につながりをもつ子どものための居場所づくり
・国際交流協会と協働で、昨年度に引き続き支援者向けの研修会を実施。今まで活動のなかった地域で第1回目の親子の交流会を実施するところまでこぎつけた。

・UR団地の集会所
活動は3年目に入り、学習者、支援者ともに少しずつ増加。小学生も手伝いに来てくれている。活動があることで、問い合わせや相談もあり、学習支援に直接つながらなくとも、地域の外国ルーツの子どもを取り巻く環境面の課題が見えやすくなってきた。現在、勉強にきている子どもたちの保護者や学校等とはつながりをもつことができており、必要に応じて情報提供を行い相談などにも対応した。

●研修会
居場所づくり:受講者の中から新たな活動メンバーが誕生、あるいは新たに活動が立ち上がる等、目的は達成できた。
高校教員対象:参加教員の関心は高く、研修会で意見交換の場を設けたことで、教員の横のつながりづくりに一役買うことができた。研修会終了後も生徒へのよりよい支援に向けて教員同士の交流は続いている。当センターにも支援について問い合わせがいくつかあり、高校現場とのつながりづくりに効果があった。最初の一歩は踏み出せた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①高校入学後の支援
京都府立高校には外国人枠がなく入学後の日本語指導が必要な生徒の対応にはばらつきがあり指導・支援のノウハウも学校現場や教育委員会に蓄積されていない。外国ルーツの生徒の退学、原級留置も複数名あり。今回、支援したダイレクトの子どもは、入学後のことを考慮し京都府の高校を選ばず外国人枠のある他府県に引っ越して行った。経済的な負担や引っ越しという環境変化による精神的負担に加え、支援者側にとっても他府県の高校見学への同行や情報収集の難しさなど負担が大きかった。また子どもが他府県に流出してしまうと、中学校と高校の狭間にいる府内の子どもたちの存在がますます見えなくなっていく。高校での支援の充実については、来年度の文科省の制度導入と歩調を合わせ、引き続き研修や支援事業を通して啓発を行っていきたい。

②ダイレクトの子どもの受け皿について
中学校を卒業した段階の子どもの来日はひっきりなしだが、日本語・教科を学ぶ場がない。日本語学校は京都市に一極集中、ほとんどがボランティア対応となっている。府内は過疎高齢化の進む地域が多く継続的な関わりをボランティアに期待することは難しい。また、同世代の言葉の通じる友達もなく、大人と1対1で一人で勉強をし続けることは思春期の子どもにとって精神的な負担が大きい。文化・言語の違う環境に慣れるまでに要する時間は子どもによって異なり、受験勉強への意欲も様々。毎日、決まった時間に行く場所もなく受験日までの生活リズムの管理もボランティアにとって容易ではない。学校に入れてもらうまでは教委の管轄外で困ったことがあっても相談先もない。子どもの学ぶ場所や支援者の確保まで含めると地域だけで対応できるような問題ではない。夜間中学校についても、募集期間を過ぎて来日した子どもは、次年度の募集までの間、待機、長い場合は約1年間待つこともある。その間、結局ボランティアが支援を担う。夜間中学校も都道府県に少なくとも1校は設置することが国から推奨されているが、都道府県レベルになると仮に1校あっても面積が広すぎてアクセスの面で不便。夜の通学は終電・終バスに間に合わないことも。この問題は、京都府だけの問題でもないと思うので、目の前の子どもを支援しつつ、他府県の団体などとも情報交換しながら、今後の動きを考えていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.kpic.or.jp/kodomo/siensya_kensyu/report.html



寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付を賜り感謝申し上げます。子どもの学習支援や支援者の人材育成のために大切に使わせて頂きました。事業を通して活動に関心をもち参加してくださる協力者も少しずつ増え、子ども達も日々成長していることを実感しております。今後ともよろしくお願い致します。