介護施設で働く外国人介護スタッフを支援するためのパイロット事業

団体名 特定非営利活動法人 介護保険市民オンブズマン機構大阪

都道府県 大阪府

助成額 410,124円

活動開始日 2023/3/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
①応援隊活動:2022年4月から開始。2021年度に養成した「応援隊員」を受入れ施設に派遣。毎月1回定期的に訪問(またはオンライン)、1~1.5時間、外国人介護スタッフと面談。日本語による対話活動を通して日本語のサポート、悩みごと等の聴き取りと施設への橋渡しを実施。受入れ施設は現在8施設(大阪市4、門真市2、宝塚市2)。隊員は活動終了後、毎回レポートを事務局に提出し、共有を図る。
②月例ミーティングの開催:同年4月から毎月全6回開催。初回は、活動規約・レポート(kintone利用)作成方法などを説明。5月・6月・7月・8月・9月は事務局が集約した「活動レポート」や「ケースレポート」を基に情報共有や意見交換を行った。7月・8月は日本語教師や介護の専門家を招いて知識を深める機会ももった。
③企画委員会の開催:2022年3月から隔月で全4回開催。3月「活動開始における注意点の確認」、5月「活動状況/講演会について/第2期養成講座について」、 7月「活動状況と課題の明確化」、 9月「講演会振返りと第2期養成講座詳細確認」。【委員】日本語教師1名・受入れ施設関係者2名・地域福祉関係者1名・事務局員2名
④講演会(64回O―ネットセミナー)の開催:9月17日 PLP会館中会議室で「高齢者介護と共生社会の明日を見つめて」を開催。基調講演:介護現場の?これから”と外国人スタッフとの共働(講師・秦康宏)、パネルディスカッション:外国人スタッフの困りごとに向き合う(パネリスト・特養施設長、応援隊1期生2名)。オンライン&会場によるハイブリッド型で53名が参加。開催に先立ち、講演会募集要項の作成・配布を行い、周知に努めた。
⑤第2期応援隊養成講座受講生募集:企画委員会での協議を踏まえ募集要項を作成。大阪を中心に地域の国際交流協会や日本語教室・公民館などに配布した。

活動日数 53日

支援対象者実人数 20人

支援対象者延べ人数 64人

参加ボランティア実人数 14人

参加ボランティア延べ人数 55人

本助成金による活動の成果
①パイロット事業として始めたがトラブルなくスムーズに活動を展開。当初大阪市内2施設での実施を考えていたが、府内(門真市)・他県(兵庫県)からの派遣要請もあり、4月開始3施設、5月開始4施設、7月開始1施設と、受入れ施設も8施設になった。
②概して介護現場で働く外国人スタッフは、高齢者や同僚とのやり取り、また資格取得(日本語能力試験・介護福祉士国家試験など)に欠かせない日本語を「しっかり習得したい」という強いニーズを持っていることが明らかになった。こうしたニーズに寄り添うべく、応援隊員の的確なサポートにより、支援対象者のうち1名は7月の日本語能力試験で目標にしていたN3合格をみごとに果たした。
③14件の悩みごとや要望等を吸い上げることができた。内訳は「日本語」習得に関すること7件、「仕事」(夜勤対応の不安・人間関係・契約内容など)6件、「暮らし」(共同生活の苦情)1件。これらの不安・要望にじっくりと耳を傾けたり、エンパワーメントを図ったり、施設へ橋渡しすることによって、改善されたり、納得・不安解消に至ったケースも6件ある。
④施設ごとに担当の応援隊員を決め、毎回同じ顔ぶれで面談。最初はたがいに緊張していたが、徐々に打ち解けはじめ、互いの国の料理やファッションを言葉と写真で紹介しあうなど、会話に広がりと深まりが見え始めるようになった。応援隊の、「寄り添い・見守る」対応は外国人スタッフの心の安定の一助になりつつある。
⑤講演会の開催で、基調講演・パネルディスカッションの他、外国人スタッフの介護の様子を映したビデオを見てもらうことを通して、介護に外国人スタッフが必要になっている現状、共生の大切さを伝えることができた。また応援隊の活動もより多くの人に伝え、活動の大切さについて賛同を得ることができた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①支援対象者(外国人スタッフ)のなかには、日本語能力試験や介護福祉士など資格取得には熱心だが、「日本語での単なるおしゃべりは試験勉強には関係がなく、無意味だ」と感じている人もいることが分かってきた。さまざまな日本人と対話することが「生きた日本語」の習得や、言葉の背景の理解など真の日本語理解への実力を培うことにつながり、直接的には日本語能力試験の合格への近道にもなる。「日本語でのおしゃべりは無駄ではない」ということを、応援隊員や施設関係者が支援対象者にきちんと伝えていく必要がある。
②今後、より聴き取りを重ねていく過程の中で、外国人スタッフとの会話の中から「何を掘り下げていくのか」、また表出された思いや不安を「どのように施設に伝え検討してもらうのか」といった、聴き取りと施設への伝達についてのノウハウを応援隊員が共有し蓄積していく必要がある。
③活動は各施設月1回であるが、コロナ第7波により、7月~9月にかけて訪問が中止になり、またオンライン面談の施設も介護職員のやりくりに余裕がなく、中止になるところが多かった。活動回数が少ないことも影響するのか、「健康」「暮らし」「地域」に関する悩みごとの吸上げにはなかなか至らなかった。また、聴き取りを通して、支援対象者たちが、ほぼ職場と自宅と決まった店舗(買物)の3か所ぐらいと、非常に限られたエリアでしか動いていないこともわかってきた。いかに地域で暮らす「生活者」の一員にしていけるか、地域で活動する応援隊の仕組みづくりも検討していく。
④介護現場にあまり馴染みのない応援隊員もおり、今後どの活動施設においても訪問での面談が可能になれば必要に応じて現場視察を検討する。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://o-netnpo.site/
https://www.facebook.com/kaigobridge



寄付してくれた人へのメッセージ
介護施設で働く外国人スタッフを支援するためのパイロット事業『外国人介護スタッフ応援隊』を結成し、2022年4月より本格的に活動をスタートいたしました。応援隊と外国人スタッフの面談は、自己紹介から始まり、当初はたどたどしさがありましたが、現在はお互いの習慣や食、行事へとテーマが広がり、日本語での会話が弾んでいます。外国人介護スタッフにとってひとときのリラックスタイムとなり、晴れやかな顔でまた職場に戻れるよう今後も支援を続けていきたいと思います。ありがとうございました。