ラテンアメリカ系住民に対する無料の健康相談会を通じて、身体とこころの健康管理の必要性と、シャーガス病2次感染予防やCovid-19感染拡大防などの公衆衛生知識の普及を図る事業

団体名 NPO法人 MAIKEN

都道府県 東京都

助成額 280,000円

活動開始日 2021/12/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
2019年末から続く新型コロナウィルス禍の中で、派遣労働者よりも弱い外部労働力として働く外国籍の方は、企業の雇用調整などで職を失ったり、新型コロナの感染や濃厚接触者となったりして長期間仕事ができずに貧困状況に追い詰められ、身体的・精神的に悲鳴をあげている状況は現在も続いています。
本助成金を頂いての外国籍住民を支援する活動は3年目を迎え、ラテンアメリカ系集住地区での「こころと身体の無料医療相談とシャーガス病の検査」は確実に地域の外国人コミュニティ内に浸透をしてきています。6月はコミュニティからの要望により三重県津市アスト津で初めて相談会を開催し、9月は協働団体のNPO愛伝舎が拠点を置く鈴鹿市のジェフリー鈴鹿での開催となりました。
精神科医・臨床心理士による通訳付きのこころの相談は、困っていても地域のNPOやコミュニティで相談をすると話が広まってしまう事を恐れこれまで相談が出来なかったが、プライバシーが保たれ安心して相談ができたと、子供(小学生)から年配の方まで幅広い層からの相談がありました。
また、ブラジル人医師による医療相談は予約不要のため、毎回多くの希望者が訪れました。一般内科から整形外科、婦人科など様々な分野にわたる相談を母国語で安心して話すことができ、これまで日本の病院にかかっていても何をされているのか分からなかった等という疑問を解消し、積極的に治療に取り組むことができるようになりました。
さらにシャーガス病の検査は、NPOMAIKENが現在日本で唯一検査ができる場所として外国人コミュニティ内で周知が進み、若い世代の検査も増えました。
9月の鈴鹿市相談会では活動で見えてきた実情と課題の報告と、シャーガス病の検査の必要性を行政の関係機関に報告する場を設けました。地域での課題解決に向けて私たちが取り組んでいることを行政の関係機関に知って頂く事で、行政による施策に繋げる事を目的として活動しています。3月にはオンライン開催しましたが、今回は対面で名古屋出入国在留監理局、三重県庁、亀山市行政官、東京大学研究者、市民団体、朝日新聞など多方面からの参加がありました。

活動日数 250日

支援対象者実人数 180人

支援対象者延べ人数 500人

参加ボランティア実人数 25人

参加ボランティア延べ人数 80人

本助成金による活動の成果
 本助成を受けて3年目を迎えるラテンアメリカ系集住地区の「こころと身体の無料医療相談とシャーガス病の検査」は、回を重ねるにつれ母国語で安心して相談ができる場所がある事が外国籍住民コミュニティ内に確実に広まってきています。
三重県の鈴鹿市から始めた健康相談会ですが、周辺地区の外国籍住民コミュニティから自分の住んでいる地域でぜひ開催してほしいという要望があり、地域のコミュニティリーダーが積極的に場所の確保や相談会の宣伝など自ら動き出し、6月は津市で開催することとなりました。
当初はこころに不調を抱え相談のために来られていた方が、会場で自分と同じブラジル人が日本人と対等に活動している姿を見て誇りを感じ、自分も困っている同胞を助けたいとボランティアとして参加する方々も毎回現れています。
 これまでは誰かに助けて欲しいと思っていたけれど、自分のできることで誰かを助けたい、誰かの役に立ちたいという気持ちが育ち、自ら動いて努力し社会貢献を始める方々が確実に増えてきています。外国人と外国人・外国人と日本人が地域で繋がって生きるという、人間関係の土台となる信頼関係が少しずつ作りあげられてきたことが、本年度の活動の一番の成果となりました。
 また、相談会では早期に医療や法律の支援が必要な人を発見することが出来、地域のNPOと連携して行政の支援活動に繋げる事ができました。
 シャーガス病の検査も今年度は69人中1人の陽性者が現れ、昨年度の陽性者と共に地域の基幹病院に繋いで現在通院加療中です。シャーガス病感染者は確実に日本国内に存在し、今後もラテンアメリカ系集住地区でシャーガス病の検査を行うことで、輸血や臓器移植による日本国内の二次感染を防止する成果が上げられます。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
現在新型コロナウィルス感染者数自体は減ってきてはいるものの、長期にわたる新型コロナの影響により経済的な困窮、そこからの家庭不和、虐待、DVなど深刻な相談が増えてきました。困窮者の課題は複合的に絡み合っており、簡単に解決できない問題を抱えているようです。
また、外国籍住民は日本の行政機関への相談を嫌がるケースもあり、最初に相談を受けることが多い外国人コミュニティリーダーにとって多大な負担になっています。
現場での活動を行いつつ事業報告を出して終わりということではなく、地域の状況を行政機関に伝え、行政サービスの一環として対応されるように報告をしていくことがNPOの役割として重要だと認識しております。今後も感染症の研究者、医師、精神科医など専門家のデータをもとに行政に報告を行い提言していくことで、現状をしっかり発信し行政サービスの一環につながるように取り組んでいきます。
またシャーガス病については、出入国在留管理庁をはじめ行政関係者にほとんど知られておらず、水面下で感染が広がっているかもしれないリスクがあります。現在はMAIKENの事業として何とか検査を続けているという実態で、検査の機会も少なく、また検査を続けていく予算も限られており民間レベルの支援では限度があります。特に外国籍住民の多い地区の行政機関に検査の必要性を知ってもらうことで、予算獲得などの機会を作っていくことが課題です。
また、外国人のメンタルヘスの健康に関しても、通訳を入れて専門の医療機関で相談できる機会が限られていること、外国人コミュニティ内での守秘義務の保持などに課題があり、適切なヘルスケアにつながりにくい状況があります。長引くコロナ禍で、経済的な困窮、孤立、不安などからストレスが高くなりやすい環境で、子どもも大人にとっても専門家との相談ができる機会が必要となっており、継続的な取り組みをしていきたいと思います。これまでの活動を通じて外国籍住民のコミュニティリーダーとの連携が取れたことで、本事業の実施の効果が高まりました。日本人に対する遠慮から声を上げられない、また上げてこなかった外国人の方をキーパーソンを通じて相談会に繋げ、最終的には地域のNPOや行政機関に繋げられるように活動を続けてまいります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://www.maikenbrasil.com/
https://aidensha.org/2022/09/28/%e8%b5%a4%e3%81%84%e7%be%bd%e6%a0%b9-%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e6%84%9f%e6%9f%93%e4%b8%8b%e3%81%ae%e7%a6%8f%e7%a5%89%e6%b4%bb%e5%8b%95%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e5%85%a8%e5%9b%bd%e3%82%ad/



寄付してくれた人へのメッセージ
外国にルーツがある人々への支援活動応援助成金を頂き、東海地区における現地の相談会と、日本全国のラテンアメリカ系住民の方から寄せられる相談をオンラインにて続けることが出来ました。母国語で安心して話すことが出来る、医療相談会は地域の外国人にとってとても重要な支援になっています。皆様の寄付のおかげでこの活動を続けることが出来ました。募金をしてくださった皆様本当にありがとうございました。