難民の命と尊厳を守るための生活支援事業

団体名 わたぼうし教室

都道府県 神奈川県

助成額 642,634円

活動開始日 2021/10/1

活動終了日 2022/9/30

助成金で行った活動の概要
本助成事業では、「仮放免」中の難民認定申請者の生活全般の支援を行いました。「仮放免」は、入管施設での収容生活から解放されますが、在留資格がないという理由で、①就労が禁止され、②国民健康保険にも加入できないなど、人間としての尊厳や人権が守られていない状況です。難民として認めてもらえない日本では希望を持つことができませんが、危険な母国に戻ることもできず、先の見えない生活の中で、うつ病を発症している人も多くいます。また長引く「仮放免」生活で、衣食住に困りホームレス寸前にまで追い込まれている人もいます。そのため、本助成事業では、対面式の面談を徹底し、彼らの声を受け止めました。「眠れない」「先が見えない」「医療費が高くて病院に行けない」「子どもの高校の教育費が未払いで毎回教員から催促される」「手術費がない」「家賃が払えない」「水道が止められた」など、衣食住・医療・教育問題など、彼らが直面している課題はさまざまです。こうした声を聞き取った上で、本事業の参加メンバーで話し合い、具体的な支援を行いました。①レンタカーを借りて、仮放免者の家庭訪問をしながら、寄付を受けた野菜、米、衣類、また弁当などを配布。②レンタカーに寄付の中古の家具や毛布などを積んで、必要な家庭に提供。③医療費を援助し、目やヘルニアなどの手術を受けられるように支援。④子育て世帯には、おむつや粉ミルクを提供。⑤入管や病院への同行支援。⑥遠方にいる「仮放免」者を支援する際は地元の支援者に連絡しつなげる。⑦無料低額診療を行っている病院を探して、ソーシャルワーカーに医療費の相談。

活動日数 198日

支援対象者実人数 189人

支援対象者延べ人数 1172人

参加ボランティア実人数 10人

参加ボランティア延べ人数 489人

本助成金による活動の成果
本助成事業の最大の成果は、関わった難民認定申請者の中から病死者・餓死者・自殺者を一人も出さなかったことです。日本に保護を求めて来た難民認定申請者たちは、所持金はなく、日本で頼れる人も少なく、生活に困窮しています。さらに在留資格がもらえない「仮放免」の状況なので、就労は禁止され、収入が得られず常に生活費に困っているだけではなく、病気になっても健康保険に入れないため病院に通えません。治療費がないため、病気になっても我慢してしまうので、病状はどんどん悪化し、多くの人は重病の状態です。生活費や医療費を丸が抱えすることになる「仮放免」者への支援事業は、支援団体にとっても簡単なことではなく、団体そのものの存続も危ぶまれるほど厳しい活動と言えます。しかしながら支援活動をやめることは、難民認定申請者の死に直結します。難民認定申請者にとっても支援団体にとっても困難な状況の中で、本助成金のおかげで、生活に困窮する難民認定申請者をこの1年間も支える続けることができました。本事業によって当事者は命をつなぐことができただけではなく、「自分たちは一人ではない。孤立していない」と実感し、不安定ながらも精神を保ち、前向いて生きていくことができました。そして支援団体にとりましても、活動を継続していく覚悟と勇気をいただくことができました。また本事業によって、これまで難民認定申請者の現状を知らなかった人々にその存在と状況を知らせる機会を得ることができたことも大きな成果です。活動をする中で当事者からの相談に本団体だけで対応できなかった際は他団体に協力を仰ぐなど、支援ネットワークを広げることができたことも大きな成果と言えます。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
「仮放免」という状況は、就労を禁止され、健康保険にも入れないため、経済的な自立ができません。難民認定申請者にとっての自立とは何を意味するのか、考え続けています。経済的な自立ができない中で、安心安全な生活が維持できるとすれば、支援団体が経済的に安定することが必要だと感じています。寄付だけを集めて活動を続けるのには限界があります。今年は、高齢社会の中で閉鎖される施設などがあり、車がない本団体では、レンタカーで施設を訪問し、たくさんの中古品をもらい受ける機会がありました。そうした中古品の家具や寝具、衣類などを再利用して、難民認定申請者に届けました。今後も中古品をもたう予定がありますので、こうした中古品を困窮する難民認定申請者に届け、また中古品を資金に変える仕組みをつくることができればと考えています。さらに難民の故郷の味をスパイス製品などにして販売するような取り組みができれば、資金源につながると共に、多くの人に難民認定申請者の現状を伝えるきっかけになるので、当事者を巻き込みながら、本支援団体がつぶれないようなシステムをつくれたらと思います。そしてこうした人権侵害がこれ以上続かないように、入管法を国際法のレベルに変えていき、日本に保護を求めて来た難民認定申請者が安心して暮らせる日本社会に変えていく取り組みもしていきたいと思います。今後ももっとこの状況を知らせるように発信する努力を続けたいと思っております。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://wataboushiymis.wixsite.com/my-site-1



寄付してくれた人へのメッセージ
皆様のご寄付により、日本に保護を求めてきた難民認定申請者たちの命を支えることができ、関わった方の誰ひとりも命を落とすことがありませんでした。また本団体もこの困難な支援活動をあきらめずに続けることができました。心より感謝申し上げます。皆様お一人お一人に直接感謝の気持ちをお伝えしたいのですが、それはかないませんので、この場をお借りして深い感謝の気持ちをお届けしたいと思います。本当にありがとうございました。