被災地まちづくり支援マネジメント事業

団体名 一般社団法人気仙沼まちづくり支援センター

都道府県 宮城県

助成額 2,706,862円

活動開始日 2024/6/1

活動終了日 2025/3/31

助成金で行った活動の概要
私たちは、東日本大震災における活動経験をもとに、「能登半島地震まちづくり支援総合マネジメント事業」を実施させていただきました。 この事業は、復旧~復興期の生活再建において、必要となる専門知識の提供が可能な人材(以下、専門家)を、支援の対象となる地域で活動する団体の実情に合わせて派遣するもので、東日本大震災後のまちづくりの過程で、気仙沼市で実施されていたものを応用したものです。いくつか例をあげます。 ・住宅を再建するにも様々な制度があり、十分に利活用するには敷居が高く理解しきれない。 ・地域の話し合いに際し、被災の度合い等で立場の異なる方々の間で意見がまとまりにくい。 ・被災した他地域の復旧、復興の事例を知りたい。 ・これからのまちづくりに向けた新たな意見が欲しい。 ・専門家を呼びたいが誰が良いのかわからないし、予算もない。 上記のような悩みを解消する一助として、当センターが集会役を担い、専門家をご紹介するとともに派遣費用を負担するものとなります。 生活再建に向けた様々な制度を専門家にわかりやすく説明してもらう機会の提供や、地域以外の第三者である専門家に介在してもらい、ファシリテーター的な立場になっていただくことで話し合いが円滑に行われることにもつながることから、これから本格化していく能登のみなさんに必要な専門知識をお伝えできる方法として本事業を行うこととしました。 この事業で重要なことは、対象となる派遣地域活動団体のニーズを十分にヒアリングした上で専門家をコーディネートすることです。また、派遣が決まった専門家にも意見の押し付けにならないよう注意を払っていただくことにあります。地域の皆さんにとって最良の選択ができる環境づくりにつながるよう専門家をコーディネートしました。 活動の対象は、まちづくり活動を行う地縁組織等の団体を通じて住民の皆様に支援をお届けする形が基本となります。今回の活動では、「珠洲市狼煙町:のろし復旧・復興会議」、「珠洲市宝立町:本町ステーション」を中心に活動いたしました。また、専門家の仲介により「珠洲市正院町:正院町未来会議」のまちづくりの会合にも参加させていただいております。

活動日数 141日

支援対象者実人数 61人

支援対象者延べ人数 112人

参加ボランティア実人数 0人

参加ボランティア延べ人数 0人

本助成金による活動の成果
■珠洲市狼煙町「のろし復旧・復興会議」 ・地域に建設された応急仮設住宅住民を含む交流の進め方について、気仙沼の事例を当団体が紹介。 ・港湾の復旧整備が進められるが、漁師の高齢化と担い手不足による漁業再生に対する課題について、岩手の漁師「えびす丸」様から事例紹介。 ・まちづくり活動の人材確保に活用できそうな制度の紹介。(当団体) ・地域交流拠点「みんなの家」建設に伴い、その活用方法と運営財源について岩手のNPO法人FutureSeeds理事長からアドバイス。 ・気仙沼のまちづくりをまとめたリアス・アーク美術館の図録を任意団体Glocal Supportの専門家が訪問し提供。(狼煙町、宝立町、正院町を含む複数の市町に提供) 現状の復旧にとどまらず、将来に向けたまちづくりを進めている印象が強く、制度理解にも長けていることから、情報を提供するとすぐに行政の担当者に提案して、その実行の可能性を検討するなど、活動がとても進んでいる印象を受けました。 ■珠洲市宝立町「本町ステーション」 ・交流施設を運営する地域住民が気仙沼を訪問する機会を珠洲市で活動する専門家がコーディネ ート。(Glocal Supportの専門家) ・情報発信の手段としてエフエムの活用を検討していたことから、東日本大震災後10日ほどで災害エフエムを設立し、現在はコミュニティエフエム「ラヂオ気仙沼」を運営する社長に情報発信で重要なことについて講話を実施。 ・自伐林業を推進している「気仙沼地域エネルギー開発株式会社」社長による講話を実施、その後、現場を視察。 ・交流支援の手法を提供。(当団体) ・子どもと共に地域の交流を進めて行く具体的な事例の紹介。(NPO法人FutureSeeds理事長) ・応急仮設住宅住民から現状と悩み事についてヒアリング。(当団体) 災害エフエムの開局はハードルが高いことから、「ポッドキャスト(インターネットラジオ)」で情報発信をすることになったとのことです。また、「本町ステーション」は、近隣にできた応急仮設住宅の皆さんも利用しています。訪問時にその場にいた方々からお話しをお伺いしたところ、住宅再建等の将来に対する不安とどう向き合っていたのか知りたいとのことなので、後日、事例をお話しできる専門家を派遣する予定です。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今回の活動では、東日本大震災と大きく異なることを目の当たりにすることになりました。 地震による津波被害が大きかった東日本大震災と異なり、地震で地盤が大きく隆起した地域と沈下した地域がある上に、津波被害も発生していて集落ごとに状況が大きく異なることがまちづくり活動を難しくしていることが理解できました。 また、東日本大震災後に多くのボランティア、NPO/NGOのご活動がありましたが、能登ではその活動が少ない印象を抱きました。そうなると、他の被災地で行われていた事例等を入手できる可能性が少なくなります。判断材料が少なくなり、選択肢が限られた中でものごとを判断しなくてはならなくなるという危惧を抱きました。 生活再建に向けたまちづくりが進み始めた中で本事業を実施する計画でいましたが、現状は、まちづくり活動に向けた動きがいよいよ始まろうとしている地域が多いと受け止めています。まちづくり活動を行う上で、初期段階が重要であることは私たちも経験したことから、むしろ、これからこのような事業が必要となってくると思われます。 東日本大震災後15年目となった気仙沼においても、災害公営住宅の入居者の高齢化により孤独感にさいなまれ、孤立化するリスクが懸念されています。近隣の岩手県大船渡市でも大規模山林火災で大きな被害を受けました。 このように、いつどこで何が起こるのかわからない状況の中でも、私たちの地域の課題に対応しながら、尚且つ、珠洲市の皆さんへの支援安定して続けられる体制を再検討しています。早い段階で財源を確保して、無理なく実行できる支援計画を立案しています。 令和7年度も支援を継続し、東日本大震災の経験をお伝えすることで、能登の方々の不安を軽減し、生活再建とまちづくり活動に寄り添えるように努力してまいります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://kesennuma-machicen.com/



寄付してくれた人へのメッセージ
「災害ボランティア・NPO活動サポート募金(ボラサポ・令和6年能登半島地震)」にご寄付を賜りました皆様へ 平素から大変お世話になっております、宮城県気仙沼市を拠点に活動する「一般社団法人気仙沼まちづくり支援センター」の代表理事を務めております塚本卓と申します。 この度は、皆様からのご寄付による助成金を活用させていただき、石川県珠洲市で支援活動を行うことが叶いました。 本当にありがとうございました。 心より御礼申し上げます。 未だ復旧が完了していない中でも、珠洲市狼煙町と宝立町、正院町で住民の皆様が再建のために行っているまちづくり活動の支援に活用させていただき、令和23年3月に発災した東日本大震災の経験をお伝えすることができました。 被災状況の異なる方々の交流で心がけること、制度の紹介等をさせていただくことで、「とても参考になった。さっそく実行したい。」とのお言葉を頂戴しております。 これも、ご寄付くださいました皆様のおかげであると感謝に堪えません。 これからも、能登の支援を継続していきたいと存じます。 重ねまして、お礼申し上げます。