都道府県 兵庫県
助成額 959,984円
活動開始日 2024/6/1
活動終了日 2024/3/31
助成金で行った活動の概要
本活動は令和6年能登半島地震被災地の仮設住宅に対して木製ベンチを寄贈するプロジェクトである。プロジェクト名の「ばんそう」は、被災地に「伴走」「伴奏」「絆創」するという思いを込めて名づけられた。被災地支援において、倒壊した家屋の瓦礫の撤去や災害ゴミや家財の搬出など、ハード面の支援はもちろん重要であるが、被災生活を送る地域コミュニティに対するコミュニティ支援もとりわけ重要な支援の形と言える。本活動は地域コミュニティ支援を主な目的とした活動である。仮設住宅でのベンチ等づくりを定期的に企画し,住民とボランティア学生等が集って共同作業をする機会を創出した。また制作したベンチ等を仮設住宅や住民が孤立しがちな被災地区等に設置することにより,住民が日常的に井戸端会議等をできる場所をつくった。無機質、殺風景な景観の仮設団地の中に木の温かみを感じられるベンチを設置することで、仮設住宅の景観美化も狙いとした。仮設住宅や、住民の避難・流出等でコミュニティの希薄化が懸念される地域において,住民の孤立を防ぐべく,コミュニティや住民自治機能の回復、維持、形成を目指し活動した。主な活動場所は輪島市門前町、珠洲市である。また、本活動は、北陸学院大学の田中教授をはじめ北陸学院大学の学生と共同で行ったプロジェクトである。
活動日数 26日
支援対象者実人数 150人
支援対象者延べ人数 300人
参加ボランティア実人数 31人
参加ボランティア延べ人数 64人
本助成金による活動の成果
本プロジェクトは2024年6月~2025年3月までの実施となり、2024年6月に2回、7月に1回、8月に1回、9月に2回、10月に1回、11月に2回、2025年3月に1回活動した。合計10回の活動となった6月から11月の活動にかけて、仮設住宅における木製ベンチの制作、寄贈を行った。3月の活動では仮設団地を訪れ、作成したベンチの保守点検作業を行い、住民へのヒアリングを行うことで今後の活動に向けた情報収集を行った。また、活動の中では単なるベンチの寄贈にとどまらず、仮設住宅の住民と共にベンチの制作を行うワークショップの場を設けた。このワークショップの開催によって、住民同士の交流や、ボランティアと住民の交流が生まれた。被災生活を送る住民が、日ごろの生活の不安事項をコミュニティ内に共有したり、これからの住民主体のまちづくりに向けたアイデアが自然に生まれるような場を設けることができた。このワークショップは、被災生活の中での住民の引きこもりの防止にもつながる取り組みであったと言える。制作したベンチは、住民らの希望にしたがって仮設団地内に設置した。当初は屋外の設置することを想定していたが、住民の要望によって仮設団地の集会所の屋内ベンチとして使用する場面も見られた。木製ベンチの寄贈によって屋内使用、屋外使用を問わず、幅広いニーズを満たし、住民が交流する場を創出することができた。結果として合計で31台のベンチを制作、寄贈することができた。また大学生をはじめユースを中心とした様々な弊団体メンバーが活動に参加し、その数はのべ64名、協力団体の北陸学院大学を含めると100名ほどの人数となった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本プロジェクトの開始当初は、角材とコーススレッドを使用した完全手作りのベンチを寄贈する予定でベンチの試作を進めていた。この試作ベンチは弊団体が東日本大震災発生当時、岩手県の仮設団地に寄贈を行っていたベンチと同形状のものである。しかし、仮設団地におけるベンチの制作過程を鑑みると、試作タイプのベンチでは工数がかかり、目標台数を制作寄贈することが難しいと判断したため、初めてベンチを制作する人でも簡単に制作できるタイプの組み立て式ベンチを採用することなった。この組み立て式ベンチの採用により、住民を交えたベンチづくりワークショップにおいても、会話を楽しみながらベンチを気軽に制作できる交流の場を創出することができた。
仮設住宅の集会所でのベンチづくりワークショップを行ってきたが、参加する住民の年齢層や性別から、本活動の課題が見えてきた。ベンチづくりワークショップに参加する住民は主に60歳以上の高齢者が大半で、幅広い年齢層の住民の交流機会を創出できていたとは言い難い。
また仮設団地におけるワークショップは必然的に仮設団地の住民が参加するイベントとなっていた。ゆえに、仮設団地に入居していない被災者の参加が参加し、多様な住民が交流する場を作るうえでは現状のワークショップの開催形式では課題が残る。
また、ベンチづくりワークショップでは男性の参加者が女性の参加者よりも多い回が目立った。大工仕事のようなイメージを持つ方が多いためか、参加者の性別に偏りが生まれた可能性がある。
これらの課題を踏まえて、今後は幅広い年齢層の多様な住民の交流を促進する仕掛けを考えていく必要がある。具体的には、仮設に入居していない住民が参加しやすいように仮設団地外でイベントを開催したり、多様な住民が参加しやすいように畑仕事や日曜大工、カフェ企画などの要素を取り入れたイベントを開催していく。また、今度のまちづくりのキーパーソンとなるような比較的若い世代の参加を促すような活動も視野にいれ、今後の活動につなげていく予定である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.instagram.com/esd_platform_will?igsh=aHQwbTY0OGoyZmZu
https://www.esd-will.org/
寄付してくれた人へのメッセージ
寄付してくださった皆様のおかげで、能登半島支援に取り組むことができました。弊団体は神戸を拠点としており、京阪神地域の大学生をはじめ、ユースが主体となって持続可能な開発に向けた活動に取り組んでおります。2024年は令和6年能登半島地震発災の年であり、行政や民間組織の迅速な対応が求められる段階でありました。弊団体としても、何か被災地でできることがないか模索している中で、東日本大震災支援で取り組んできたベンチづくりをヒントに本プロジェクトを企画し、実行してまいりました。仮設住宅での暮らしは、被災以前の地域コミュニティの維持が非常に難しい状況となります。被災生活を送る中で、住民同士の自然な交流を創出し、被災以前の地域コミュニティを維持していく。そしてさらに、復興に向けた住民同士のアイデアを重ね合わせ実現していく。ベンチプロジェクトはそういった地域のコミュニティ維持と復興の歩みの一助となるよう、思いを込めて推進してまいりました。皆様のご寄付は本プロジェクトにおいて木製ベンチの材料や制作にかかる道具、また現地までの移動費等に利用させて頂きました。結果として、珠洲市、輪島市内の複数の仮設住宅に合計31台のベンチを寄贈することができました。本プロジェクトの推進は、皆様のご支援があって初めて成り立つものでございました。本当にありがとうございました。