学生ボランティアによる社会福祉協議会等支援のための大学間連携プロジェクト

団体名 一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟

都道府県 東京都

助成額 2,000,000円

活動開始日 2024/1/11

活動終了日 2024/9/30

助成金で行った活動の概要
本キャンプはご支援いただきました資金を活用し、日本ソーシャルワーク教育学校連盟が主催・コーディネーターとなり、本連盟会員校(社会福祉士・精神保健福祉士の養成校にて組織、会員は全国に249校)によびかけて開催したものです。 実施の枠組みは、本連盟災害対応部会が中心となり、被災地域のソ教連会員校や災害支援経験を有するソ教連会員校教員と密な連携を図り、現地での活動や滞在環境のコーディネートを行ったのち、ソ教連およびソ教連会員校のボランティア募集の呼びかけに応じ参加した学生が、学校の垣根を越えて合同で現地での支援活動を展開するしくみです。 なお、支援実施期間・場所・内容が期によって異なりますが、その時々の被災地のニーズを最優先に決定し、柔軟な活動を実施したことによるものです。なお、本連盟が直接学生を募集し実施した以下の活動実績以外にも、北陸学院大学をはじめとしたソ教連会員校による学生ボランティアが実施されており、本連盟は活動のコーディネートや活動に用いる車両・資機材の貸与等を行う形で、助成期間を通じ継続した支援を実施しました。 【各期の活動概要(本連盟にて学生募集を行い実施した分)】 ◆第1期 活動日:3月21 日(木)~29 日(金) (9日間) 活動人数:21 名(内訳:DWAS-JAPAN 7名/立命館大学 8名/DWAS-SAITAMA(立正大学・埼玉県立大学・聖学院大学)6名) 活動内容:輪島市町野町地区での被災家屋からの家財の取り出し、破損した家財や家電の運搬 ◆第2期 活動日:4月26 日(金)~29 日(月)(3日間) 活動人数:22名(内訳:DWAS-JAPAN 3名/佐久大学 8名/北九州市立大学 4名/北陸学院大学 2名/武蔵野大学 5名) 活動内容:輪島市町野町地区での被災家屋からの家財の取り出し、破損した家財や家電の運搬 ◆第3期 活動日:4月30 日(火)~5月6日(月)(7日間) 活動人数:33 名(内訳:北陸学院大学 9名/DWAS-JAPAN 3名/高崎健康福祉大学7名/立正大学 8名/ DWAS-SAITAMA(立正大学・埼玉県立大学・聖学院大学)6名) 活動内容:能登町社会福祉協議会、輪島市町野町地区 他でのニーズ聞き取り、被災家屋の片づけ

活動日数 19日

支援対象者実人数 145人

支援対象者延べ人数 290人

参加ボランティア実人数 76人

参加ボランティア延べ人数 486人

本助成金による活動の成果
●資機材・活動車両の貸与や現地までの運搬活動 ●学生ボランティアの活動実施にむけたニーズ調査 ●本連盟会員校が実施する学生ボランティア活動に対し、資機材貸与等の実施 ●学生ボランティア活動支援 累計活動日数19日/延べ人数 486人(左記は本連盟にて参加者募集を行い実施した日数、別途北陸学院大学をはじめとしたソ教連会員校による学生ボランティア活動実績あり) 被災地域の本連盟会員校として発災当初から今日まで継続して被災地でのボランティア活動を展開している北陸学院大学及び災害支援経験を有する本連盟会員校教員と密な連携を図り、現地での活動や滞在環境のコーディネートを実施、被災地域の学生と他の地域の学生がともに現地での支援活動を展開しました。同時に、北陸学院大学及び本連盟会員校の学生ボランティア活動について、車両及び資機材の貸与にて活動支援を継続する仕組みを作り、支援を行いました。 また、北陸学院大学より、社会福祉協議会による支援活動が十分展開されていないエリアについて情報提供を受け、資機材を自己調達の上、当該地域における学生ボランティア活動等をコーディネートしました。ボランティアが入りづらく集まりにくく、かつ高齢化率の高い地域での活動を実施となりましたが、住民の皆様にとって孫世代に当たる学生の訪問に、温かいお声がけを多くいただきました。 学生のチカラは泥をかき出したり、家具を運び出したりといった面にとどまらず、学生が無心に動く姿が住民の心を突き動かし、再び前を向くチカラを湧き起こさせているようでした。それは住民の皆様の顔つきや声の張り具合の変化からも見てとれ、みるみるうちに片付く家屋を見ていただくことで、諦めていた住み慣れた土地での生活や生業の再起を前向きに検討する旨お話される方もおられました。 また、本活動の趣旨に協賛いただいた地域住民の方々による宿泊場所の提供等の多彩なご協力を得ながら活動を展開することで、参加学生にとっては、被災地の実情や地域の課題等について体験的な理解を深める機会となりました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
【課題】 ●学生の旅費負担軽減 今回の活動において、複数の学生より、費用の補助があると参加しやすいとの声が聞かれています。今後継続的に支援を行うにあたっては、参加を希望する学生の金銭的負担を軽減する仕組みや取り組みが必要と思慮します。 ●宿泊場所の確保 今回、地域住民の方及び北陸学院大学の協力を得て宿泊場所を確保しました。宿泊施設が多くある金沢市から輪島市、能登町、門前町は距離が離れていることから、廉価で利用できる宿泊先の確保は中長期的な活動の展開に必要不可欠と痛感いたしました。特に支援を行う地域近辺での宿泊先の確保の有無は活動時間の確保、活動期間中の体の疲れにも直結するため、今後も地域住民の方々に協力をいただきつつ活動を実施していきたいと考えています。 ●学生移動用車両並びに運転手の確保 特に道路状況が悪いエリアに伺う際、大型~マイクロバスでの移動が難しいため、大型の普通自動車に分乗して移動せざるを得ませんでしたが、車両と運転手の確保に苦慮しました。特に車の調達に難航し、隣県にてレンタカーを借用し移動し対応していました。 運転手については本連盟スタッフ並びに本連盟会員校教職員で対応致しましたが、調整に難航したこともあり、今後広く運転を担ってくれる方を募り協力を得る仕組みづくりが必要であると考えます。 ●現地での活動用車両運転手の確保 本連盟では軽トラックを5台調達し、能登エリアへ運搬し地域の災害復旧活動に活用頂いていますが、それらの車両の多くはマニュアル車です。若年層を中心にマニュアル車の運転ができない方が多く、特定の人に運転が偏る・マニュアル車を運転できる人がおらず動かせない、というケースが生じていました。学生移動用車両同様、運転できる人の協力をより広く得られるような仕組みづくりが必要と考えられます。 【今後の取り組み】 ●今後も全国の本連盟会員校、被災地域にて支援活動を継続している北陸学院大学、地域住民の方々と密に連携をしながら、災害支援活動を実施してまいります。 ●これまでは被災家屋の片づけ等が活動の中心でしたが、住民間の交流の場づくりや仮設住宅での生活に関する支援活動等、住民の皆様のニーズに丁寧に沿った活動を柔軟に実施する予定です。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/Jaswe.saigaishien/
http://jaswe.jp/saigai.html



寄付してくれた人へのメッセージ
本連盟は社会福祉士・精神保健福祉士を養成する教育機関にて組織している全国団体として、「苦しみ続ける住民の不条理を共に嘆き、怒り、なんとかしたいと思う臨床性こそがソーシャルワークの原点」と考え、福祉を学ぶ学生と被災地をつなぐ活動を展開してまいりました。このたび、迅速なご支援をいただくことで、多くの志ある学生を災害ボランティアにつなぐだけではなく、被災地での支援活動を継続して実施している地域の養成校の支援も実施することができました。被災地へ心を寄せていただき、活動を支援いただきましたこと、深く御礼申し上げます。 学生を被災地に繋ぐ意味の第一は、被災された住民の力添えをすることですが、次の世代の日本の社会福祉を支える学生にとり、地域住民の皆様と汗をかき、交流を重ねることは、教科書では決して学ぶことのできないソーシャルワークを実践しながら理解する機会にもなります。今後も被災地の住民の皆様へのお力添えを第一に、社会を担う次世代の育成にも取り組みながら、被災地の力になりたいという思いをもつ学生と住民の皆様をつなぐ活動を継続して実施してまいります。参加学生からの感想の一部を以下掲載いたします。 【参加学生からの感想】 ●家財整理等で被災者の方と対面した時、ほとんどの方が涙を浮かべていました。この涙は、乏しい支援と孤独から漸く解放されたことによる、心からの安堵であると思いました。大学生ボランティアのニーズは、日の目を見ない被災地支援にあることを強く実感しました。 ●短い期間でしたが、信頼できる仲間ができました。またボランティアの機会があれば、ぜひ参加させて頂きたいです。ここまで自分の価値観と考え方を変えてくれて、災害ボランティアではありましたが、仲間たちと頑張る時間は本当に楽しかったです。本当にありがとうございました。 ●(前略)災害を支援する人々との出会いもありました。同じく支援活動をする大学生やNPO や大学教員。また、自衛隊のお風呂では、地域のNPO の方や自衛隊の方と出会いました。自分も被災経験があり、恩返しに行く人、災害のたびに毎度支援に行く人と出会うのは初めてでした。現場でどう活動するか、を決め、状況の変化に合わせながら、活動を指揮する方々を初めて目の当たりにしました。まさに、災害支援のコーディネートでした。