小型レンタル重機を活用した、輪島市内での災害技術系ボランティア事業

団体名 いしかわ災害支援機構

都道府県 石川県

助成額 3,000,000円

活動開始日 2024/6/1

活動終了日 2024/8/31

助成金で行った活動の概要
技術系ボランティアとして、連携する団体と協同し、倒壊した家屋や納屋からの車両や農機の救出作業、倒壊家屋からの貴重品や仏壇の位牌や過去帳、亡くなったご家族の遺品などの取り出し、倒壊寸前のブロック塀や木塀の引き倒しとその破壊作業などの支援を行いました。依頼案件については原則、輪島市災害ボランティアセンターに寄せられた救援ニーズの中から実施しました。狭隘な路地の多い輪島市街地内での活動に適した1.7トンタイプ重機と、3トンダンプトラックをレンタルし運用しました。また、市内では発災時に張られた屋根のブルーシートが、半年を経過して劣化し剥がれ始めており、別途高所作業車をレンタルしてこれへの対応に当たりました。ともに機体は連携団体と共同して運用し、合計で45件の支援ニーズに対応することが出来ました。

活動日数 40日

支援対象者実人数 45人

支援対象者延べ人数 45人

参加ボランティア実人数 8人

参加ボランティア延べ人数 288人

本助成金による活動の成果
今回の助成で重機1両、ダンプトラック1両、高所作業車1両のレンタルを最大3か月間行いました。輪島市社会福祉協議会を経由した被災者からの支援ニーズに対して、当団体と、またベースを同じくする連携団体とで対応にあたりました。重機のレンタルを行っていた6月から8月末までの期間、連携団体とともに対応した支援ニーズは38件にのぼります。支援した内容は、道路啓開、被災建物からの貴重品取り出し、車両や農機の救出、土砂崩れ現場からの土砂搬出、被災建物のブルーシート張りやその手直し、屋根の修復作業なとです。受けた被害の大きさに対して、輪島で活動する技術系ボランティアの数は足りておらず、重機や作業車両が必要な現場ばかりのなか、これらの車両が大きな力を発揮しました。我々技術系ボランティアが作業後、連携した作業として、一般ボランティアさんに片付け作業などを引き継ぐ形をとっています。また、私どもが所属していたベースでは、発災から現地に入っていた重機がメンテナンスなどで引き揚げとなる時期にあたっており、これらの撤収の入替にボラサポ様から支援を受けた重機・ダンプと高所作業車が入ることが出来、シームレスに現地で支援を続けることが出来ました。 今回、総額300万円として助成を申請させて頂きましたが、最終的には約200万円の使用に収めることが出来ました。当初見積もりでは一般的な大手重機レンタル業者の金額で試算しておりましたが、災害支援にご理解のあるレンタル業者様をご紹介いただき、重機とダンプのレンタル料金について想定より低い額で収めることが出来ました。無用な多額の出費を抑えることが出来たと考えております。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
7月中旬からは重機を使用が必要な案件から、被災家屋からの貴重品の運び出しのようなニーズが徐々に増えてきたことで、作業の随行として重機も出動はするものの、作業投入にならずにベース撤収となることが少しづつ増えて来たというのが大変残念なところです。発災直後であれば、例えば道路啓開など、到底人力ではどうにもならない作業に重機が終日当たることが想定され、更に活躍することが期待できたと思います。今後は早い段階でボラサポ様にご相談させて頂く、もしくは先行して重機を手配して現地入りする運営方法をとれないかと考えております。ある程度のまとまった資金をプールしておき発災時にすぐに重機を手配して現地入りし、あとで助成を受けるなど、団体内の資金繰りなども今後の検討課題とすることが出来ました。また、重機ボランティアと一般ボランティアが連携し、作業引継ぎを実施することで、1日の処理件数を上げることが出来るため、これらも今後に生かしていきたいと考えております。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/profile.php?id=61556032240171&locale=ja_JP



寄付してくれた人へのメッセージ
能登半島地震の被害のすさまじさと、重機がなければ進まない被災現場ばかりのなか、今回初めてボラサポの助成に応募させて頂きました。発災6カ月が経過した時点からの重機・ダンプトラック・高所作業車の投入となりましたが、重機とダンプトラックで処理出来る作業量は非常に大きく、また屋根のブルーシート張りなどでの高所作業車の有効性は高く、もっと早くボラサポに応募するべきだったと強く感じました。これは次回以降に生かしたいと思っております。また今回、赤い羽根マークのボラサポのマグネットシートを製作、重機・ダンプ・高所作業車に掲示しました。被災された多くの方から「共同募金が助けてくれた」という大きな安心感を感じていただく事が出来ましたし、私たちもつとめて「赤い羽根共同募金からご支援を頂いています」と被災者の方に伝えていました。それで安心して頂けた部分はあったと感じています。 また、活動記録には入っていませんが、現場での支援が完了してベースへ帰着後、新規に重機免許を取得した技術ボランティアの方への操縦訓練やメンテナンスの実習、ダンプトラックへの載せ下ろしの訓練などを実施しました。なかなか実際の重機に触れる機会の少ないなか、新規の技術ボランティアの育成にも機体を活用させて頂けたことは大きな収穫でありました。 今回ボラサポに応募した私たち自身も、共同募金が災害支援に活用されるイメージは薄かったのですが、技術ボランティアが重機をレンタルできる規模の助成を行っていただけ、私たち自身も今後、被災地の最前線への助成でご相談できるとわかり、大変心強く感じています。 この度の助成にお礼を申し上げるとともに、私どもも、これから来る南海トラフ地震などの災害支援でお役に立てるように精進してまいりたいと考えております。 能登半島地震はまだ復旧のフェーズです。どうかこれからもご支援をよろしくお願い致します。