都道府県 三重県
助成額 2,940,000円
活動開始日 2024/1/13
活動終了日 2024/12/22
助成金で行った活動の概要
■月ごとの活動日数と概要
1月:1回2日=先遣隊が現地の状況と活動拠点の調査を行った。
2月:2回6日=シャンティとの連携のための情報交換、輪島市二勢の避難所で炊き出し120食など
3月:4回11日=輪島市門前町の避難所での足浴&お茶会、雪割草まつり手伝い、炊き出し120食など
4月:2回4日=輪島市門前町の仮設住宅の調査とシャンティとの情報交換
5月:3回7日=シャンティ経由で輪島市門前町の家屋内の片付けボランティア
6月:2回6日=輪島市門前町の浦上・清水の2か所の仮設住宅で足浴&お茶会
7月:2回5日=輪島市門前町の浦上・清水の2か所の仮設住宅で足浴&お茶会
8月:1回2日=輪島市門前町の避難所対象の炊き出し120食
9月:2回5日=輪島市の水害被害の調査
10月:1回3日=輪島市門前町の避難所(門前東小学校)と清水仮設で足浴&お茶会
11月:3回7日=輪島市門前町の清水仮設・浦上仮設・門前東小避難所・阿岸仮設で足浴&お茶会
12月:1回3日=輪島市門前町の清水仮設・阿岸仮設で足浴&お茶会
合計61日の活動を行った。常に変化する現地の情報収集をしつつ、被災者の自立・コミュニティづくりのための支援活動を行った。
■活動場所
輪島市二勢の避難所、輪島市門前町の避難所(門前公民館、門前東小、門前中)、輪島市門前町の仮設住宅・在宅(清水、浦上、皆月、阿岸)
■具体的な活動
活動内容としては、現地に滞在するNGOシャンティや社協などと連携し、①家屋の片付け ②避難所において運動不足から引き起こされる生活不活発病やエコノミー症候群を予防する足浴やお茶会 ③仮設住宅への入居に合わせ、コミュニティづくりの支援として交流会を開催し、足浴・健康体操・お茶会などを行った。
活動日数 58日
支援対象者実人数 470人
支援対象者延べ人数 928人
参加ボランティア実人数 67人
参加ボランティア延べ人数 510人
本助成金による活動の成果
本会では、1月に先遣隊が活動拠点設置や現地情報収集を行った後、2月に輪島市の社会福祉協議会と連携して避難所での炊き出しで活動を開始した。2月には、現地に滞在して被災地支援をコーディネイトするNGOシャンティ国際ボランティア会と連携協定を結び、避難所支援と片づけボランティアを開始した。3月下旬からは仮設住宅への入居が始まり、片付け、仮設住宅・避難所でのサロン活動、炊き出しなど多面的な活動を展開した。本助成の申請時とは、仮設住宅の建設・入居が遅れたこと、9月の水害被害など、大きく想定が異なったが、継続的に輪島市を支援する活動を継続できた。
これらの活動で、被災された方たちの復興への歩みに伴走し、コミュニティの維持や活性化に貢献できたと考える。片付けボランティアにおいては、公費解体が決まった家屋から、次の生活に必要な家財道具や思い出の品々を運び出すことで、次の生活への歩みを始めるきっかけを与えた。避難所における炊き出し支援やサロン活動(足浴やお茶会など)においては、運動不足解消や話す機会を提供し、生活不活発病の予防や不安解消に役立ったと考える。仮設住宅におけるサロン活動においては、集会所に笑いがあふれ、住民の絆を深めるコミュニティ活性化の効果があったと考える。
また、これらの活動のコーディネイトなどでは、現地に滞在するNGOや、現地でリーダー的に活躍する若者たちと連携した。これにより、復興を担う現地の若者たちや、それを支援する団体などを支援し、復興への推進力に少しではあるが貢献できたと考える。輪島市門前町では、公費解体でできた空き地に仮設商店が完成し、賑わいを取り戻そうとしている。支援活動だけでなく、仮設店舗を活用することを通じ、なりわいの復活も応援できたと考える。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本会では、継続的に細く長く活動をすることで、輪島市の復興に向けた歩みに寄り添っていく方針である。8月までに仮設住宅が完成し、生活が落ち着き始めた9月の水害では、浸水する仮設住宅も多数出るなどし、「心が折れる」という言葉を耳にすることが多数あった。しかし、11月になると、水害で再孤立した地域で断水が解消し、多くの住民が地元に戻って生活再建に向けた歩みを再開したようにみえる。ポジティブな言葉も多く聞かれるようになり、復興への歩みが再開されたように感じることもある。しかし、12月になり、北陸独特の雪やみぞれが降り続く季節が到来し、片付けの活動も中断せざるを得ないようになった。そして地震発生から1年がたち、お正月を鎮魂の日として迎えなければならない。本会は学生中心の活動であるため、学期末試験がある1月は活動を中断することとなる。しかし、2月から活動を再開させる。公費解体が進み、仮設商店ができたことは、復興への第一歩といえるが、あくまでも「仮」の賑わいであり、若者たちがワークショップで語り合うことはあっても、行政と住民が一体となって取り組む本格的な「復興」については、まだまだ絵も描けていない状態にある。仮設住宅での生活が落ち着いても、次の方向が見えない現実に、住民たちの不安は解消されることはない。本会では、2025年2月より活動を再開し、輪島市門前町の復興への歩みに寄り添っていきたい。具体的には、1月中に現地のシャンティや社協と協議を行い、2月以降は月に2~3回のボランティア派遣を行って、足浴やお茶会などのサロン活動を展開する。また、復興に向けた現地の若者が企画するイベントを盛り上げる手伝いも行っていく。さらには、地元の三重県中心に、能登半島地震の被災の実際や復興に向けた歩みを紹介するイベントを開催し、能登を継続的に支援する。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.yokkaichi-u.ac.jp/Old_Site_Contents/HisaichiSien/index.html
寄付してくれた人へのメッセージ
能登半島地震から1年になります。この間には、豪雨災害があり、大きな余震もありました。そのたびに、避難所に逆戻りする方も多く、被災された皆さんは不自由で不安な生活をおくっています。また、12月には北陸特有の湿った雪が積もるようにもなり、スリップ事故や段差でのパンクなど、交通トラブルにも悩まされています。
われわれ四日市東日本大震災支援の会は、2011年の東北の震災のときに正式に団体を立ち上げ、ボラサポの助成金を活用させていただきながら、さまざまな被災地支援を行ってきました。大規模災害直後は片付けなどの災害ボランティア、避難所での炊き出しやサロン活動、仮設住宅での交流会イベント開催、災害公営住宅のコミュニティ再生支援など、多様な活動を展開しています。支援の会は、大学・高校の教員、学生・生徒が中心となって構成されていますが、チーム四日市という四日市市社会福祉協議会が主催する団体を通じ、多くの地域の団体とも連携しており、多様な活動が可能になっています。
今回の助成いただいた、2024年1月~12月の活動では、輪島市門前町を中心に支援活動を行ってきました。当初の想定より仮設住宅の建設が遅れ、9月に豪雨災害が発生するなどし、計画していた活動の半分程度しか実現しませんでした。それでも、活動の準備や現地での情報収集や調整などを含めると58日の活動日数となりました。輪島市のフェーズの変化に合わせ、避難所、仮設住宅、在宅避難者などを対象に、炊き出し、サロン活動(お茶会、足浴、健康体操など)、片付けボランティアなどを行いました。
支援の会では、2025年に入っても、引き続き輪島市門前町を継続的に支援していく計画です。仮設住宅の生活が長くなると、生活には慣れるものの住宅再建やなりわいの再生などで、どうしても不安感が増すこともあると思います。高校生や大学生が輪島市を訪れ、元気を届ける活動を細く長く続けていく決意でおります。今回の助成を受け、高校生・大学生の参加費負担を軽減することができ、多くのボランティアが何回も活動に参加することが可能となりました。支援いただいた方には、深く感謝いたします。