輪島市仮設診療所への専門家派遣事業

団体名 一般社団法人こころのケアまごころ

都道府県 福島県

助成額 2,650,000円

活動開始日 2024/4/1

活動終了日 2024/10/31

助成金で行った活動の概要
輪島市町野地区の仮設診療所への看護師派遣では同地区の東陽中学の保健室に設けられた仮設診療所での看護師による医師の助手を務めた。支援対象地域(輪島市町野町)における住民の意識調査も医師と派遣看護師がおこなった。その間、七尾市役所の要請により、在宅避難者へのアウトリーチ支援活動(聞き取り調査)も行った。その後、町野地区の仮設診療所の常勤看護師確保を踏まえ、輪島市福祉課の要請に応じ、福祉避難所&特別養護老人ホームにおける看護業務の支援を行った。当該施設も常勤の看護師確保を踏まえ、北部能登医師会の要請により看護師逼迫している輪島市内のクリニックにて医師の助手を務めた。当該クリニックの支援終了後、事業を9月末で終了予定であったが、当初の輪島市仮設診療所での一時的な支援を要請され、9月末から支援を開始した。しかし9月21日に起きた豪雨災害により、急遽、診療開始のための医療機器の整理・備品の手配を医師の指示で行った。10月末には、支援のケースカンファレンス(振り返り)を医師と行いまとめた。

活動日数 126日

支援対象者実人数 50人

支援対象者延べ人数 200人

参加ボランティア実人数 5人

参加ボランティア延べ人数 15人

本助成金による活動の成果
地震、水害に見舞われた被災地支援であるが、仮設診療所、福祉避難所兼老人ホーム、個人のクリニック、仮設住宅訪問、自宅避難者へのアウトリーチなど、地域の医師のサポートを通じて、今後の災害時における医療支援を多面的に経験を積むことができた。また行政等(輪島市健康福祉課、子育て支援課、北部能登医師会)との意見交換を通じ、地域全体の医療課題を把握することができた。今回の災害では、家屋倒壊、道の分断、断水、停電、通信障害、濁流による床上浸水などの被害が地域によっては長期にわたり、そのことが医療・衛生面、住民のこころにどのような影響を与えるかについても学ぶものが大きかった。事業期間の7ケ月間、この助成金により活動できたことで、弊団体の新たな実績を積むことができたこと、感謝いたします。 (被災者の言葉と被災地の変化について) 被災者の言葉:現地の福祉避難所の看護師が金沢市に避難されたため、看護師業務が逼迫したことで、支援を要請され、派遣を継続いたしました。福祉避難所の常勤看護師は日勤・夜勤の連続で、家に帰れない日々が続いていましたが、支援の看護師を派遣したところ、「久しぶりに自宅にかえることができ、疲れをとることが出来、とても助かりました」との言葉をかけられ、貢献を実感できました。 被災地の変化:1月の地震後の復興は、支援地では、徐々に進んでおりましたが、9月の豪雨災害に見舞われたため、ふたたび多くの医療人材が金沢などに避難したり、医療器具の流失があり、震災直後の状態に戻っている状況が散見されました。従い、本来なら支援を継続すべきと感じていますが、継続のための資金確保が課題です。 また、医療支援ではないが、豪雨で輪島塗の工房が流されたため、職人さんが、仕事ができなくなり、福祉施設の臨時スタッフとして働いている姿を目にしました。被災地ではなりわいにもおおきな変化がありました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今回の事業では、支援先のニーズの変化や、派遣看護師の個別事情により、当初予定していた活動日数には及ばず、予算も80%の消化結果となった。幣団体では10月末で当該事業を終了したが、1月1日の地震に続き、9月21日に起きた豪雨災害により、より多様な長期的な復旧、医療支援ニーズが発生した。今後は、このような大災害にはより長期的な支援体制・資金が必要となることも想定し、人材や資金の確保を計画的に行い、息の長い被災地支援を目指すべきと感じた。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.fukusima-magokoro.org/
https://www.facebook.com/hatorikokougen/



寄付してくれた人へのメッセージ
皆さまの寄付により、被災地の多様な支援ニーズに応えることができました。ありがとうございます。被災地の医療人材の払底により、看護師派遣や臨床心理士による遠隔のこころのケアなど行ってまいりました。この経験をもとに、災害時により有用な医療支援の体制を整えて行きます。今回の災害では地震に加え水害も起きました。わたくたちの支援地域である輪島市では、いまだに水道の復旧も進んでない地区があります。発災直後では家屋の倒壊や断水、停電、通信障害、加えて水害で泥水に使った応急仮設住宅など、衛生面での不安もあります。復興には多くの時間を要します。今後もあたたかい皆さまのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。