都道府県 東京都
助成額 347,811円
活動開始日 2024/4/6
活動終了日 2025/3/29
助成金で行った活動の概要
経済困窮家庭のお子様や個々困難を抱えたお子様向けに無料の学習支援を実施いたしました。
教室は東京都の八王子市と多摩市に2カ所を展開。八王子市は南大沢で毎週土曜日に2時間、多摩市は永山で毎週水曜日に2時間の学習会を開催。対象の生徒は小学生から高校生で、2025年3月時点で南大沢は小学1年生から高校1年までの28名、永山は小学3年生から中学3年までの14名が在籍。講師は全員がボランティアで無償で学習指導を実施いただきました。南大沢も永山も学生、社会人、シニア世代の講師に在籍いただき授業は生徒とマンツーマンか、もしくはひとりの講師が生徒2名を担当いただき進めてまいりました。担当教科は複数の教科を対応可能な講師や特定教科の専門知識を活かし教科専任として多くの方々からご支援をいただきました。
授業内容について小学生はドリルを中心に算数の計算や漢字書き取りを継続してまいりました。中学生は教科書やワークを中心に宿題の対応や、個々の課題克服に取り組みました。また普段は英語と数学に集中しますが、定期試験前は希望の教科も理科や社会と幅広く学びの機会を求める場面を見ることができ、講師の方々も連携し生徒の希望に沿う対応を実施いただきました。高校生はより専門性が求めれる授業内容となりますが、対応可能な講師が生徒と確認を行いながら生徒の要望を叶えていただきました。南大沢、永山とも中学3年で受験を控えた生徒には1年、2年で教わった内容の基本の復習から始め、その後応用問題に取組み後半は受験学校の過去問に取組み受験に向けたスケジュールを考慮して授業を進めてまいりました。
活動日数 103日
支援対象者実人数 42人
支援対象者延べ人数 1454人
参加ボランティア実人数 51人
参加ボランティア延べ人数 1089人
本助成金による活動の成果
24年度の活動について南大沢、永山のどちらの教室も共通して三点報告をさせていただきます。
まずひとつ目の成果として毎回生徒が教室に入る際に笑顔で入室される点です。
簡単な表現となってしまいますが、とても大切で貴重なことだと思います。学ぶことで知ることの楽しさに気付いてもらい、自分を更に成長させようと前向きに取り組んでくれる姿が多く見られました。そしてこれはボランティア講師の方が授業中に生徒の良い面を引き上げてくれて気持ちを前に向けてくれている事が良い方向に繋がっています。全ての先生が担当する生徒一人ひとりを見て時に話し相手として生徒に耳を傾け、また生徒にとって後押しとなる様なアドバイスを与えてくれたりと生徒に寄り添ってくれます。
また、もう一つの成果は、教室というひとつの空間に様々な学年、学級、学校の生徒が集合します。そしてそこには境界や仕切りは不要です。全員が同じ様に自分の課題克服であったり、逆に得意なものを更に伸ばしていくための授業を各テーブルで進めていく事が出来ました。それもやはり生徒と講師とがコミュニケーションを取りながら作り出されたものです。日々の学校生活では異なる学級、異なる学校へ通う状況となる中ここでは、生徒同士や生徒と講師が自由に会話をして学び、交流の場を提供する事が出来ました。
最後に三点目は現在学校に行きづらい状況の生徒も来てくれております。その生 徒たちも最初は緊張した表情で参加をしておりました。そして授業時間も最初は短い時間から始めて、徐々に時間を延ばし少しすると決まった時間に教室に来て授業時間も他の生徒達と同等くらいになりました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
活動を実施して三点課題を認識いたしました。
生徒の中には苦手を抱えて学習に取り組んでくれている生徒がおります。個々、苦手な内容や範囲は異なるのですが、専門知識が乏しく対応していることが正しいのか疑問を持つことが多くございました。極力研修、勉強会に参加し知識を得る様にいたしましたが生徒にしっかりと個々抱えている状況に合わせ有効的な学習を提供出来る様に専門知識を持った団体や大学講師の力をお借りし知識を得る機会を増やす必要があると認識しました。
次が不登校の生徒の対応です。現在通塾いただいている生徒の中には学校に行きづらい環境の生徒がおります。しかし殆どが塾には決まった時間に来て学んでいただく事が出来ております。しかし、数名の生徒は塾に来ることがとても大きなハードルで、一歩を踏み出すことにとても気持ちの整理が難しい生徒が在籍しております。従い当日の欠席が生じます。これは面接の時点でお話しは伺っていたことですし、精神的に厳しい時は無理をせずお休みを取っていただくことは了承してお受けしております。その際、外出が難しい生徒に安易にオンラインの環境を提案し授業を進めることが適切なのかが疑問です。外出しなくても良しとする環境の提供がマイナス要因にならないか、その点について毎回外出することと向き合って戦っている生徒に負担を感じさせず一歩を踏み出すことの支援とは何かを見つける必要がございます。
最後三点目は、困難を抱えた生徒や学校に行きづらい生徒の授業を受け持ってくださる講師に運営側としてはどのような対応が望ましいかを考えてまいりたい。時間間際になっての通塾キャンセルが続く、もしくは授業中も集中が難しく頻繁に授業の中断が生じます。講師の方々は皆生徒の状況を理解していただき、不平、不満を述べる状況は無く他の生徒と同様に対応をいただいておりますが、負担が大きいです。
ボランティアとして活動いただいている中で、どのような対応が望ましいか他の団体の運営も参考にしていきたいです。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://startasahi.com
https://x.com/startupasahi
寄付してくれた人へのメッセージ
組合員の皆様、24年度の助成をいただけたことで無料の学習支援を1年間走り抜ける事が出来ました。
この学習支援は、2カ所で教室の展開を行っておりますが小学1年生から高校1年生の全ての生徒がそれぞれの目 標に向けて学ばせていただく機会を設けることが出来ました。特に各教室とも中学3年の受験生が数名来てくれておりました。みんな毎週の学習会に熱心に取り組んでくれました。またボランティア講師については1時間以上もかけて通ってくださる方も在籍いただいております。受験生との授業では試験日から逆算し生徒に合わせて無理なくペース配分を考慮いただきながら進めてまいりました。結果、24年度の受験生は全員志望の高校に入学することが出来ました。
生徒に代わり御礼を申し上げます。この度のご支援、誠にありがとうございました。