都道府県 千葉県
助成額 1,000,000円
活動開始日 2024/4/1
活動終了日 2025/3/31
助成金で行った活動の概要
船橋市の保健と福祉の総会窓口「さーくる」(船橋市におけるワンストップ相談窓口)、こども家庭支援課(ひとり親家庭の相談窓口)、家庭児童相談室(船橋市において児童相談所の役割を担う窓口)、スクールソーシャルワーカー、保健所の保健師、地域包括支援センターおよび在宅支援センター(高齢者の生活相談窓口)等と連携して、年間788件の生活困窮家庭に食品の支援を実施することができた。
その中にあって今年度は、妊婦および乳幼児のいる家庭を戸別訪問している保健師との連携が強化されて、その連携数は昨年度と比較して約2倍の160件の支援実績となった。(昨年度実績82件)。保健師と連携して支援した家庭は経済的困窮などの困難を抱えており、赤ちゃんに粉ミルクを購入することが困難な家庭が数多くある。支援は食品にとどまらず粉ミルク(加えて離乳食の場合もあり)というケースがほとんどを占めた。粉ミルクはフードバンクに寄付されることが少ないため、本助成金にて購入した。
また出産前の妊婦への支援の場合、栄養面を考慮した食品支援が必要なことから、タンパク質やカルシウムを多くふくむ缶詰(焼き鳥缶やサンマの蒲焼き缶等々)を購入し支援した。さらに2024年12月と2025年1月には餅を購入して、子育て家庭に年末年始にふさわしい食品を届けた。
また、2025年2月に政府備蓄米を申請して今後7,000頃が支給されることとなり、支給された米を小分けにしてパッキングするためのシーラー購入を購入した。これにより生活困窮下にある子育て家庭や子ども食堂等の子育て支 援団体へ、安定して継続的に米の提供ができることとなった。
活動日数 244日
支援対象者実人数 1472人
支援対象者延べ人数 1472人
参加ボランティア実人数 35人
参加ボランティア延べ人数 35人
本助成金による活動の成果
コロナ禍後の相次ぐ食品の値上がりに加えて、生活必需品、水光熱費と様々なものが値上がりしている中で、ひとり親家庭を取り巻く環境は厳しさを増している。ひとり親に限らず経済的に困窮している子育て家庭は数少なくない。この様な家庭に食品を届けることは、受け取った人々の心と体に元気と栄養を届け、その人が一歩踏み出す力となっている。また妊産婦への支援では、母親と幼い命を守る活動をすることができた。
フードバンクふなばしでは、食品の配送支援を受けた子育て家庭の声を拾うために、2024暮れから食品を送る箱にアンケートはがきを同封し、3月31日までに21件の回答を得ることができたのでここに紹介させていただく。
①少し不安が軽減したまたは大いに不安が軽減したと答えた人は21人中10人。
②少し元気が出たまたは大いに元気が出たと答えた人は21人中15人。
③少し希望が持てたまたは大いに希望が持てたと答えた人は21人中11人。
④食事中の会話が増えたと答えた人は21人中2人。⑤食事のおかずの品数が増えたと答えた人は21人中5人。
⑥食事の回数が増えたと答えた人は21人中6人。
⑦食費が節約できたと答えた人は21人中18人。
⑧変化はないと答えた人は0人。
⑨期待外れだったと答えた人は0人。
その他の自由回答(16人)
・普段、もう少し食べるものがあればな思った。
・子どもが喜んでいた。
・とてもありがたいと思いました。
・食べられるものが家にある安心感がありました。
・お米が10キロも入っていたことが、本当にありがたかったです。食費を助けていただいて、とても感謝の気持ちでいっぱいです。
・食事の時間が楽しくなった。
・助かります。
・とても嬉しかったです。
・感謝の気持ちです!!ありがとうございます!!
・メッセージカードで元気が出ました。
・食べられないものは勿体なくて、実家の親に渡しました。
・物価高でお米が買えなかったのでうれしいです。
・子どもにだけでなくははへのお心遣いをいただき、とてもありがたく、一人で踏ん張ろうと気を張っていた心が少し柔らかくなりました。
・料理は好きではないけれど、お米もあるので子どものために作ろうと思った。
・レトルトが多く、家族が一人で昼食準備ができ、大変助かりました。
・とても助かりました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
生活困窮下にある子育て家庭では、経済的困窮だけでなく、様々な困難を抱えているケースが多いのが特徴となっている。例えを挙げると保護者や子どもの健康面の問題、保護者が抱える精神的な疾患等の問題、夫婦間の問題、子育てや養育についての問題、就労やお金の使い方の問題、子どもの不登校の問題である。昨今支援件数が増えている外国籍の方々の場合は、住まいや就労、収入の問題に加えて言葉の壁や食文化の違いもあり、食の支援においても配慮が必要となっている。また高齢者においては健康の問題、収入および年金の問題、お金の使い方の問題、住まいの問題、家族間トラブルの問題である。
これら様々な困難を当事者に寄り添い解決に導くには、多くの支援機関が連携して、知恵を出し合い、役割分担を行い、根気強く支援していく必要がある。支援のメニューに食の支援は欠かせないことから今後もフードバンク活動を安定的に継続していくことが求められている。多くの困難を抱えながらも、未だ支援機関に繋がれずにいる家庭や個人もいる。食品支援を通じてできた繋がりは、次なる支援の入口になり得ることから、その方々が抱えている課題を把握し専門機関に繋げることがフードバンクに求められている重要な役割であると感じている。
フードバンクふなばしでは2024年秋から、パントリーピックアップで出会った子育て家庭の中で、見守りが必要であると判断した家庭を食品を携えて訪問する活動を始めている。社会福祉士の資格を持つスタッフが訪問時に保護者から直接抱える課題をヒアリングし、目視により家庭内の様子を把握している。行政等の相談窓口に行く手前の子育て家庭を見守る事業を今後も展開していく。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://www.fb-funabashi.com/
寄付してくれた人へのメッセージ
コープみらい組合員の皆様、日頃より様々なかたちで、特定非営利活動法人フードバンクふなばしの活動を支えてくださり誠にありがとうございます。この度の助成金は、子育て家庭に粉ミルクや離乳食、栄養のある食品を届ける活動に活用させていただきました。
皆様の温かな思いが、生まれて間もない赤ちゃんの命を守り、成長を支えています。私達と共に歩んでくださり心から感謝申し上げます。また半年間で7,000キロ支給される政府備蓄米を小分けにするために必要なシーラーを購入させていただきました。長く、大切に使わせていただきます。