都道府県 埼玉県
助成額 930,000円
活動開始日 2024/4/1
活動終了日 2025/3/31
助成金で行った活動の概要
奇数月最明寺、偶数月本応寺でフードパントリーを定期開催(登録者は両会場で別のため、利用 者にとっては2か月に1度のパントリー)。
パントリー会場では「てらこや」の子どもたちが歌を歌ったり、「お寺カフェ」(両会場)や「焚き火の会」(本応寺会場)を行うなど、ご利用者の皆さんが足を止めて利用者どうし、あるいはスタッフと会話が生まれるような工夫を行いました。また、折に触れて相談事業も行い、ことに児童扶養手当が終了する間際のご家庭に対しては、お子さんが進学する場合などの当面の支援継続のご相談などにも応じました。
単に食料を受け取る場ではなく、安心できる場、頼っていい場、嬉しいことも困ったことも共有できる場にしたいとの考えです。孤立を防ぎ、特に子どもたちがやりたいことをやれるように応援していきたいと考えています。
特記事項としては2024年10月より、第3の配付拠点として「メモリード新河岸パントリー」を開設しました。これは冠婚葬祭業の川越新河岸メモリードホール様とのコラボレーションによる事業です。
川越市は面積も広く、これまでの最明寺会場、本応寺会場にはかなり距離がある新河岸・高階地区は当会としてもぜひ配付拠点を置きたいと考えていた地域でした。両会場に自転車で通ってきていたご利用者を優先的にメモリード新河岸パントリーに移籍すると共に、新たな利用希望でこの地域にお住まいの方はこちらをご案内して、徐々に登録者も増えています。
こちらの会場は会食用の部屋と小さなキッチンが付いていることもあり、ご利用者の憩いの場、交流の場として「純喫茶メモリード」を併設して、コーヒーや軽食を楽しんでいただいています。料理や給仕をするのは主に「高階ユースプレイス」の子どもたちです。「高階ユースプレイス」では学習支援の他に「料理」を取り入れ、毎週みんなで料理を作って食べています。日頃培った料理のスキルを「純喫茶メモリード」で実地で試しながら子どもたちはたくましく成長していますし、ご利用者の皆さまからもとても好評です。
活動日数 30日
支援対象者実人数 510人
支援対象者延べ人数 800人
参加ボランティア実人数 30人
参加ボランティア延べ人数 400人
本助成金による活動の成果
コロナは去ったものの、世界市場における日本の地位の低迷、世界各地でやまない戦争や紛争、加えて気候変動による野菜の不作や価格の高騰、さらには米不足による価格高騰など、生活者にとっては厳しい状況が続いています。特に当会のパントリー登録者のお話を聴いても、給料や地位が上がるというのはなかなか難しいようです。そのような状況の中で定期的にかなりの量の食料支援があるというのは大きな生活の支えとなったようです。ご利用者からは「いただいたお茶は水筒に入れて職場に持ってっている」など、具体的な活用方法をお聞きすることもあります。
配布物の中で最近増加しているのが「フードドライブ」活動による食品。ご利用者にとっては様々な食品の中から選択できるため、家庭の中で欠乏している調味料を調達するなど、定まったものを配られるのとは違った利便性があるとのことです。
「お寺カフェ」など、パントリー併設の活動の成果としてご利用者やお子さんたちと絆が出来るということがあります。ここで信頼関係ができた方から、お子さんを「お泊まりてらこや」に参加させたり、「てらこや」のレギュラーメンバーとなったりという例が多いです。そしててらこやでお子さんをお預かりするとお会いする機会も増え、また「一緒に子育てしている」というムードも醸成されて、より絆が深まります。
このほかに、パントリー会場で定期的にお話を聴いている方も何人もいらっしゃいます。例えばお子 さんがひきこもり気味であるなど、何かしら課題を抱えていてもなかなか打ち明けられる先もなく、お話を聴くだけでも多少はほっとするようですが、こちらも行っているいくつかの事業にお誘いしたり、できることを提案したりもしています。
解決は相当難しいと思いますが、その子にとっての「選択肢の1つ」となることが、お母さんにとってのせめてもの救いとなるようです。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
パントリーを運営するという側面では、活動が大きくなるのにつれ体制も整えていかなければならないということがあります。資金的にもそうですが、関わってくれるスタッフの増強や関わり方の深化、役割分担の工夫などがあります。資金的には「助成金頼み」からの脱却を目指して独自事業を模索もしています。また、まずは役割を担ってくれる人に少しでも仕事を引き継いでいくことを進めていく予定です。
ご利用者の関連では、パントリー来場の申込みを忘れる人、当日来場するのを忘れる人が一定数存在することが課題です。他に要件があって来られない方は良いのですが、そういうわけでもない様子です。リマインドのメッセージを流したり、紙のニュースでも防ぎ方を提案したりしていますが、なかなか決定打はありません。むしろこういった事務処理能力を高めていただくことも今後の収入増加のためにも必要なのでは、と考えたりもしています。
そして最近は「児童扶養手当後」を意識した発信をしています。児童扶養手当はお子さんが一 定年齢に達したら打ち切られ、その時点で収入が実質的に目減りしてしまいます。それを織り込んでの収入増加策を、早いうちから意識してもらいたいと考えています。当会でもなにかそういった学習会や相談事業などを行っていければと構想しています。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/share/p/1AEwJnKSjk/
https://www.facebook.com/share/p/1F7opCh7Nu/
寄付してくれた人へのメッセージ
皆さま、いつもあたたかいご支援をありがとうございます。
当会ではこの一年、「子ども・子育て支援助成」をいただきフードパントリー活動を行ってきました。また、こちらの助成金事業以外でも多くの子ども若者応援事業を行っております。
こうした活動が滞りなく安心して行えるのも、ひとえに助成金ひいてはご支援くださっている皆さまのおかげです。このほかにも埼玉フードパントリーネットワークを通じてお米を定期的にご支援いただいたり、あるいは高校生の奨学金の情報をご案内させていただいたりと、皆さまには大変お世話になっております。
皆さまへの感謝と、あらためて生協活動の大きさを身に染みて感じているところです。今後も子どもたち若者たちの未来を切り拓いていくために活動していきますので、どうぞ変らぬご支援のほどよろしくお願いします。