都道府県 東京都
助成額 1,000,000円
活動開始日 2024/4/1
活動終了日 2025/3/31
助成金で行った活動の概要
月に2回、定期的かつ持続的に開催することにより、保護者も子どもも安心して利用できる食堂の運営。17時から19時で会食形式とお持ち帰りのお弁当を子ども100円、大人300円にて提供し、家庭の状況に応じて無料提供とすることで、見えにくい経済問題を抱える親子の負担軽減を目的とした。子ども食堂開始時間よりも前に学習ができる場(学習のフォロー)、文房具や雑貨を使った創作活動、読書やゲームができる場、放課後の友達とのあそび場、多世代の大人と時間を共にする場として子どもの居場所(15から19時)を併設した。
また親子で時間を過ごせる場としても機能させ、利用者がどんなことでも相談出来る、相談援助スキルのある専門のスタッフを配置すると同時に、保護者が子どもとは別の空間でスタッフと話ができる場も提供した。
食事の面では、不足しがちな野菜をふんだんに取り入れた。旬の食材を多く使い栄養面にも注力し、タンパク質を中心に五大栄養素がとれる献立の食事を提供。年間行事を2か月に1回以上組み込むことで、行事食を取り入れ、四季や旬が感じられるメニューを通して食育も行った。食を通したコミュニケーションにより、地域の親子との信頼関係を結び、それぞれに必要な支援活動を進めた。
活動日数 24日
支援対象者実人数 135人
支援対象者延べ人数 1116人
参加ボランティア実人数 27人
参加ボランティア延べ人数 169人
本助成金による活動の成果
①低額、または無料で食事を提供することにより、外からは見えにくい経済的な悩みや困りごとを人知れず抱える状況を、必要不可欠な「食」の支援を通し、打破していった:
予約時から利用時に至るまで、細やかなコミュニケーションをとることで、それぞれの家庭が持っている問題などの状況把握に努め、各家庭に必要なニーズを掴んでいった。企業や協賛いただいた方々からの物資提供などをおこない、食品をはじめ文房具、ランドセル、衣類、化粧品等の配付も行った。
また、活動をすすめるうちに、ワンオペ育児に追われ孤立感や疲れを抱える保護者にとってリフレッシュできる場が必要なニーズが再確認された中、他の人と共に食事をし、スタッフが子どもたちのケアをすることで、保護者も子どもも食事が楽しい美味しいと感じられる一助となれた。保護者からは、作られた食事があることで、子どもとの落ち着いた時間が取れ、優しくなれるといった声をよく聞けた。また、子どもにおいては、自分が人に優しくされたことを、だれか困っている他の人に今度は自分がしてあげたいと思う行動につながった
②人件費の利用により、専門性の高いスタッフを継続して配置し、スムーズな定期開催が可能となった:
相談員経験が豊富なスタッフによるフォローでニーズをキャッチしながら、地域の親子との信頼関係を結んだ。悩みに伴走し、必要な情報が得られる安心できる場、また、孤独感を抱える親子が応援してくれる人がいる、見守ってくれる人がいると感じられる場として機能した。食事面では、旬の食材や栄養面に配慮した目でも楽しめる献立で、日本の年間行事食や海外の国の食事を提供し、日本文化だけでなく国際文化を感じることもできる食育で、子どもたちの知識や興味関心を広げることにもつながった。
③交通費の支給により、定期的なボランティアの人材確保につながった。ボランティア参加者においても、定期的に参加することにより、全体として70代までの多世代交流の場となった中で、利用者・関係者との関わりや役割を持つことができ、各々の居場所としても機能した。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①定期開催するための場所の確保:
現在は区民センターを借りて運営しているが、食材や調味料、毎回使用する子ども食堂で利用する物の保管が出来ない。その為、毎回かなりの物を持ち込み持ち帰る。その為の経費や労力が必要となっている。車がない場合、保管や持ち込みの分担が必要となり、高齢化するボランティアの負担になる。荷物を置いておけるような開催場所探しなども含めて検討していく。
②横つながりの関係構築の必要性:保護者(多くの場合母親)が抱える悩みや不安といった共通課題を親同士で語り合う場の提供、近隣地域で同じような活動を行っている団体との連携が必要と感じる。まだまだ横のつながりが少ない業界といえる。横のつながりをつくることで、困りごとの解決策がより見えてくるのではないか。そのような関係性を構築できる機会を作っていきたい。
③物価高騰による影響:低価格での提供を行うにあたり、物価の高騰が重い課題となってきている。場所の使用料等もしかり。再度提供価格の見直しが必要になる可能性がある。出来るだけ、価格は変えず経費削減や助成金の追加利用に努めたい。
④運営を円滑に行える人材、資金の確保:次年度より人件費がなくなる。ボランティアを中心に運営するにあたり重要な、細やかなケアができ、責任を持って運営を行える人材、比重の重い助成金の申請や報告の作業をこなせる人材の確保は今後も大きな課題となる。人件費に使える助成金の存在は大きく、引き続き助成金探しをしつつ、継続していくための収入源につながるような取り組みもしていかなければならないと考える。が、またこの様な取り組みも子ども食堂運営にあたっては大きな負荷になるという点は払拭できない課題となる。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.instagram.com/kodomoshokudo_wave/
寄付してくれた人へのメッセージ
活動を続けていく中で改めて、美味しい楽しい食事、人との繋がり心の通い合いが、いかに人生の豊かな幸せにつながっているのかを感じております。
本年度、皆さまのご協力により、「人件費」という貴重な大きい助成をいただけたことで、提供できる食数やフォロー体制の質もあがり、より多くの子どもや保護者の笑顔を見ることができました。また、運営サイドにとっても充足した活動を行える基盤となりました。心よりお礼申し上げます。
引き続き、助け合い支え合いが出来る社会の構築、継続に努めていきたいと考えております。ありがとうございました。